日本の食品メーカーの海外進出に/ 英国 グレート テイスト アワードとは?
美味しいものが少ないと思われがちなイギリスですが、近年では消費者の舌が肥えてきています。そのような消費者がスーパーなどで買い物する際にチェックしているのが、グレートテイストアワードのロゴです。
グレート テイスト アワードとは
イギリスの Great Taste Awards(グレートテイストアワード) は、世界最大規模の信頼度の高い食品・飲料の評価制度のひとつです。1994年にスタートし、現在は毎年世界中から1万点以上の食品が出品されています。
主催しているのは「Guild of Fine Food(ギルド・オブ・ファイン・フード)」という団体で、約500人もの専門家が審査に携わっています。審査員には一流シェフやバイヤー、食品ライター、小売関係者などが含まれ、彼らが商品名やブランドを伏せた「ブラインド審査」を行うため、公平性が非常に高い点が大きな特徴です。
評価は星の数で表され、最も高い「3つ星」を獲得できるのは、全出品のわずか2%以下と狭き門です。「2つ星」は卓越した美味しさの証とされ、およそ1割前後の製品が選ばれます。「1つ星」は全体の25%ほどが取得できるものの、それでも「シンプルに美味しい」と国際的に認められた製品であることを意味します。
このようにグレートテイストアワードは、単なるコンテストというよりも、味そのものを客観的に評価する世界的な基準として広く認知されています。
グレート テイスト アワードロゴ付き商品のメリット
グレートテイストアワードのロゴをパッケージに掲げることは、イギリス市場に挑戦する際の大きな強みとなります。イギリスではこのロゴが「品質の証」として広く知られており、消費者に安心感を与えるからです。
イギリスで行われた調査では、成人の55%がGreat Tasteのロゴを認識しており、そのうちの80%が「ロゴのある商品を購入を検討したい」と答えています。さらに、74%が「品質が保証されている印」と感じており、56%は「購入を後押しする要因になる」と回答しています。このように、グレートテイストアワードのロゴは購買行動に直結しているのです。
また、バイヤーや小売業者にとっても、この認証は仕入れや販路拡大の判断材料として有効です。特に新規参入企業やブランドの知名度が低い中小企業にとって、第三者評価としての信頼性は大きな後押しになります。さらに、審査を通じて得られるフィードバックは、入賞の有無にかかわらず、製品改良や今後の開発に役立つ貴重な情報です。
このようにグレートテイストアワードは、単なるマーケティングツールにとどまらず、事業成長やブランド戦略の基盤を強化する役割も果たしています。
グレート テイスト アワードを取得した日本食品メーカー&製品
日本企業の製品や日本の素材を使った製品にもグレートテイストアワードを受賞したものは多数あります。一部の例を紹介していきます。
甕島(カゴシマ)堀口製茶「Kakuhori Black Tea Benifuki」
2024年、3つ星受賞。英国の国民飲料である紅茶のカテゴリーで最高評価”を獲得。
Hime Fuki(姫吹き)黒茶(有機)
2009年に3つ星ゴールド賞など、複数年にわたってGreat Tasteで高評価獲得。
Miso Tasty社のオーガニック味噌ペースト(White Miso / Red Miso)
UKブランドだが、日本の素材を使用。2つ星獲得。
Kagoshima県産のその他日本茶(例:Genmaicha、Houjichaなど)
2022年・2023年に1つ星〜2つ星受賞。
日本の「Mikawa Mirin」(三河産みりん)
3つ星受賞。
グレート テイスト アワードを取得する方法
ここではグレートテイストアワードを取得するための簡単な流れを紹介します。
エントリー:
「Guild of Fine Food」へ登録し、製品を申請。費用は1商品あたり£38〜£240程度です。
匿名審査:
ブラインド(包装を除去)方式で審査用に送付。審査員による盲検評価を受けます。
評価・フィードバック:
1〜3星の評価とともに、審査員からのコメント(フィードバック)が得られます。
結果発表:
Great Tasteの公式ディレクトリに掲載可能。認定ロゴ(星付きマーク)を商品パッケージや販促物に使用可能になります。
グレート テイスト アワードを取得してみては?
英国進出を目指す皆さまにとって、グレート テイスト アワードは単なる賞ではなく、味の国際的証明書であり、ブランド価値と輸出戦略を高める要素になります。
特に「小規模だが素材・技術に自信がある」「日本らしいストーリーや個性を打ち出したい」企業にとって、この評価制度は非常に有効です。入賞・不入賞に関わらずフィードバックを活かしながら、確実に製品力を高め、日本食の魅力をイギリスに広めていってはいかがでしょうか。