豆腐/海外の反応 ローカライズされたTOFUとは

豆腐の海外進出

日本の伝統食材である豆腐は、近年の健康志向の高まりやヴィーガンやベジタリアンの増加により、海外でも重要なタンパク源として認識されるようになりました。イギリスを含むヨーロッパとアメリカでは「TOFU」という名称が一般的に浸透し、最近はスーパーやオーガニックストアなどで手軽に購入できます。

財務省の貿易統計によると、2023年の豆腐の輸出金額は6億6999万円で、2017年の約2倍と急成長を遂げています。国別では、それぞれ2017年度比で、イギリス386%増、米国377%増、フランス519%増となっており、特に欧米での成長率が顕著だと分かります。

日本の食品メーカーでは森永が、常温で長期保存可能の紙パックに入った豆腐を長きに渡って販売しています。古くから海外に住む日本人にとっては、簡単に手に入る唯一の豆腐というイメージでしたが、最近では海外でも豆腐の多様化が進んでいます。

その他の日本メーカーでは、ここ数年、徳島県に本社を置く豆腐メーカー「さとの雪食品」が同様に長期保存可能な豆腐を海外で販売しており、2023年度には前年度比13%増の約330万パックを輸出しました。「さとの雪食品」は特にイギリスなどヨーロッパで、シェアを拡大しています。中でも 日本産の大豆を100%使用した「SILKIN TOFU」は、ヨーロッパの食卓でもサラダのトッピングとして人気を集めているようです。

また、フランスやドイツでは現地の企業によるオーガニック豆腐のブランドが増加しています。

豆腐 海外の反応

豆腐に対する海外の反応を見ると好意的な意見が多いものの、中には食感が好きではない人、味がないと感じる人などもいます。ヴィーガンでない人の中には、他の食品でタンパク質を摂取できるので豆腐を食べる必要がないと、思っている人もいるようです。人気が高まっているとはいえ、海外では豆腐を食べる食べないは人それぞれなのかもしれません。

豆腐を好んで食べる人でも日本人と同じ食べ方をする人は珍しいようで、欧米ではローカライズされた豆腐商品や、自宅で楽しむ独特なレシピが次々と誕生しています。

海外の独特な豆腐レシピ

湯豆腐や揚げ出し豆腐を食べた欧米人は、日本の出汁の風味を気に入るのものの、どうやらそれを自宅で再現するのが難しく感じるようです。そのため、自宅ではハーブやコンソメスープを使ったアレンジレシピにトライする人が多い模様です。

また、オリーブオイルなどでソテーした豆腐に自分好みのソースをかける調理方法も人気です。ソースの種類としてはトマトベース、レモンベース、バルサミコ酢、ハーブなどが人気です。

ローカライズされた豆腐関連商品

フランス語では豆腐を "tofu" と呼ぶ場合もあれば、"fromage de soja"(大豆のチーズ)と呼ぶ場合もあります。

そのせいなのかは不明ですが、海外では「ハーブ味」「照り焼き味」「味噌味」のように味が付いた、おつまみ感覚の豆腐も人気です。それらの商品はヘルシーでお腹も膨れるおやつとして、健康志向の人たちを中心に広く受け入れられています。最近日本のコンビニで見かけるようになった豆腐バーも、実は海外の豆腐からアイディアだけを逆輸入したのだそうです。

アメリカでは豆腐にかけるための調味料が売られており、ガーリックやスパイスをミックスした胡椒のような粉末状で、日本の醤油や出汁とはかけ離れたものです。

また、豆腐の持つ淡泊な味という特徴から、スィーツやスムージーに使用されている例も見かけます。

豆腐は海外では成長市場

海外での豆腐人気は今後も継続しそうで、ブームが去ったとしても定番の食品として根付く可能性が高いです。輸出額を見ても順調に増え続けているため、海外進出にぴったりの食品であるといえます。

ローカライズされた豆腐商品やレシピを参考に、欧米人にウケそうな商品を開発して、海外進出を目指してみてはいかがでしょうか。

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