イギリスではゴーストレストランが増加中!飲食業での海外進出に
コロナ禍以降、急成長を遂げた「ゴーストレストラン」。実店舗を持たずデリバリー専用の厨房を運営するこのビジネスモデルは、現在もイギリスで拡大を続けています。飲食業で海外進出を試みている場合、新たな選択肢として視野に入れてみてはいかがでしょうか。
本記事では、ゴーストキッチンのメリットや課題と成功のポイントについて解説します。
ゴーストレストラン(ゴーストキッチン)とは
ゴーストレストランとは、店舗を持たずにデリバリーサービスを提供する飲食業態です。イギリスではゴーストキッチン、ダークキッチン、バーチャルキッチンと呼ばれることが一般的で、ゴーストレストランと呼ばれることは少ないようです。
ゴーストレストランには顧客が訪れることはなく、Uber EatsやDeliverooなどのプラットフォーム上で注文を受け付けます。自宅のキッチンがあれば開業が可能なので、低コストで飲食ビジネスを始められるのが特徴です。
イギリスにおけるゴーストレストランの市場規模
イギリスでは、コロナ以前からデリバリー市場が拡大しており、多くの飲食業がゴーストレストランの業態を取っています。
2020年時点ではイギリス国内で約750のゴーストキッチンが運営されており、これは中国(7,500軒)や米国(1,500軒)に次ぐ規模です。中国や米国と軒数だけを比較すると少なく思えますが、人口や国土面積を加味すると、かなり多い数値であるといえます。
また、ヨーロッパ全体のゴーストレストラン市場は2024年時点で約59億1,000万米ドルと評価されており、2024年から2031年にかけて年平均成長率(CAGR)18%で成長すると予測されています。特にロンドンでは、住宅街や倉庫を改装した店舗が増え続けています。
店舗数の増加により競争の激化が予想されますが、日本食に関してはまだライバルが少ないため、参入の余地があります。
ゴーストキッチンのメリット
低コストでの開業&運営
店舗を構える必要がないため、家賃や内装費を大幅に削減できます。小規模な設備投資で済むため、初期費用を大幅に抑えられます。デリバリープラットフォームを活用することで、広告費や集客コストを削減も可能です。
柔軟な変更がが可能
需要に応じて随時メニューを変更など、臨機応変な経営できます。
また、一つの店しかなくても、複数の店舗を運営しているように見せることも可能です。たとえば、日本食レストラン用のアカウントと中華料理店用のアカウントを同時に運営することも不可能ではありません。
市場テストとしての運営もできできる
ゴーストレストランでターゲット市場のニーズを調査して、その後、実店舗を持つレストランを開業するといったテスト販売が可能です。
ゴーストレストランの課題や問題点
多くのメリットがある一方で、ゴーストキッチンにはいくつかのデメリットもあります。
信頼性を確保しにくい
日本ではゴーストレストランは怪しいという風潮がまだありますが、イギリスでも多少はあります。一部の消費者は「実態が分からない」といった不安を抱くため、SNSやレビューを活用してブランドの信頼性を高める必要があります。
加害を解消するためには、現地のフードインフルエンサーと協力してプロモーションを行うのも効果的です。
規制への対応、衛生管理が必要
イギリスでは食品衛生基準が厳しく、FSA(食品基準庁)の指導に従う必要があります。高評価の衛生評価を取得し、デリバリーサービス上で公開することで、顧客の安心感を高めることができます。
競争の激化している
すでに多くのゴーストキッチンが参入しているため、差別化が重要です。日本食の独自性を活かしたメニュー開発や、現地のニーズに合わせたアレンジが求められます。
ゴーストレストランを成功させるコツ
イギリスでゴーストレストランをで成功させるためのポイントをまとめました。
ターゲット層の明確化
イギリスに住んでいるアジア系住民をターゲットにするか、現地の文化で育った人をターゲットにするかによって、見せ方が変わってきます。ロンドンでは健康志向の高い消費者が多いため、「ヘルシーな日本食」を売りにするのも一案です。
若年層をターゲットにする場合は、SNS広告を活用したマーケティングが効果的です。
ブランド戦略の確立
ただのデリバリー店ではなく、独自のブランドを構築することが成功の鍵となります。料理の味だけでなく、ロゴやパッケージデザインにこだわるなど、視覚的な訴え掛けも必要です。
効率的なオペレーションの構築
オーダー管理システムを導入し、注文処理のスピードを最適化することが重要です。配送時間を短縮するため、複数のデリバリーサービスを活用するのも有効です。
ゴーストレストランは海外進出におすすめ
イギリスでのゴーストキッチンは、日本の飲食業者にとって魅力的なビジネスチャンスです。初期投資が少なく、市場テストが容易なため、海外進出の第一歩として検討する価値があります。イギリス市場に適したブランド構築とマーケティング戦略で、飲食業での海外進出の第一歩としてはいかがでしょうか。