日本食【海外の反応】誤解もローカライズのヒントになる?

海外での日本食の人気は年々高まっており、日本食レストランはロンドンやニューヨーク、パリなどの大都市で定着しつつあります。しかし、その一方で、日本食についての誤解や固定観念も少なくありません。この記事では、海外の日本食にまつわる主な誤解をいくつか紹介し、それらをどのようにビジネスに生かせるかを考察します。

日本食を食べた外国人の誤解

日本では中華料理だと考えられているラーメンや餃子も、海外では日本食として認識されています。中国発祥の料理が日本人の口に合うようにローカライズされ、長い年月を経て日本食として認識されるようになったのは大変興味深い事実です。

また、ラーメンがヘルシーだと誤解している人もいます。長崎ちゃんぽんのように野菜がたっぷり乗っていたり、スープが透明だったりすることもあるため、実際には塩分や脂質が高いラーメンでも、このように感じてしまうのかもしれません。日本料理がヘルシーだという全体的なイメージから、このような誤解が生じている可能性も高いです。

この他にも海外には、「どうしてそうなったの?」と思うような日本食にまつわる誤解や勘違いが多数存在しています。

イギリスでの日本食に関する誤解の一つに「カツカレー=日本のカレー」だと思われていることがあります。"Japanese curry"と書いてある場合、必ずカツが入っていると思い込んでいる人もいます。カツカレーは日本でも人気のあるメニューですが、日本の家庭のカレーにはカツが入っていないことの方が多いでしょう。また、カツという日本語の語源が、英語のカツレツ(cutlet)だと気付いていないイギリス人が多いのにも驚かされます。

また、日本食レストランがあまりない海外の地方都市では「寿司=サーモンの握り」だと思っている人もいます。特に北欧や北米ではサーモンを使った寿司が主流で、他のバリエーションが知られていないこともあります。

日本食・海外の反応 スレ&SNSより

海外の掲示板やスレッドでは、たとえば「天ぷらは甘いデザートだと思っていた」「緑色のゼリー(わさび)をデザートだと思って食べた」「おにぎりは中に何が入っているか見えなくて不安」と、日本人からは想像もつかないような勘違いや誤解が見られます。

SNS上では「味噌汁は飲み物だから、ご飯にかけてはいけない」「ごはんとラーメンを一緒に食べるのは奇妙だ」といった意見もあり、これは日本人の間でも意見が分かれそうだとも感じます。また、「味噌汁に具が入っていない」「うどんがパスタのようだ」など、ユニークな意見や誤解も見られます。

また、筆者がかつてロンドンの日本食レストランで働いていた際には、ヨーロッパ系の方に「ラーメンのスープにうどんの麺を入れてほしい」と注文されたこともありました。こうしたリクエストは誤解や勘違いだと捉えられる反面、現地の日本食に対する独自の理解が反映されている例とも捉えられます。

日本食の誤解を逆手に取った商品戦略

誤解や偏ったイメージは正すべきだと考えられがちですが、逆に商品のローカライズやプロモーションに活かすことも可能です。

たとえば、ラーメンが健康に良いと思われていることを利用し、実際に塩分や糖質が控えめの"ヘルシーラーメン"を開発するのも一案です。海外で根付いた日本食のイメージを生かしつつも、日本の食文化を正しく伝えられるようにするには、こういった工夫が必要になるのではないでしょうか。

また、みそ汁には具が入っていないので嫌だと思われているのを逆手にとれば、既に存在している野菜たっぷりのヘルシーなフリーズドライの味噌汁なども売りやすくなるかもしれません。おにぎりの中身が見えなくて不安だという意見に対しては、あえて具が見えるように握るという対策もあります。

今後の展望とアプローチ

日本食に関する海外での誤解や勘違いを読み解いていくと、日本人にとっては盲点になっていることや、意外だと感じることが多い印象です。日本食で海外進出を目指すなら、少し馬鹿々々しく感じるような海外の意見にも一度は目を通してみてはいかがでしょうか。

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