Googleとfacebookの独占に終止符。3番目のプレーヤーは?
世界のデジタル広告はGoogleとfacebookの2社に支配されているということは、現状では紛れのない事実です。eMarketerによると、2017年の同2社の市場シェアは49%に達しています。北米だけに焦点を当てても、Googleがモバイル広告市場のほぼ3分の1を占めており、Facebookはほぼ4分の1を占めています。現状では、広告主にとって、広告の到達率やその効果などを同2社の公表するデータからしか、読み取ることができないため、この独占は好ましい状態であるとは言えません。昨年のFacebookの広告到達率のデータのエラーや、Googleアドセンスの広告が不適切なサイトに表示されることがあるなど、多くの問題があるにも関わらず、デジタル広告を使用したい場合、同2社以外の選択肢が、ほぼ存在しないのです。しかし、この独占に終止符が打たれる日は近いのではないか?という見方も出てきています。
デジタル広告市場で3番目のプレーヤーとなるのは?
以前の記事、「デジタルマーケティングに未来はない?メディアの透明性を問う」でも触れたように、3番目のプレーヤーはAmazonだと言われています。Amazonは電子商取引の事業を中心に行っているため、デジタル広告の収益は、2016年度に60%の成長率をたたき出しており、2017年上4半期でも継続的に成長しています。現状では、「その他の収益」とまとめられているAmazonのデジタル広告収益。それにも関わらず、3番目のプレーヤーになると見られているのには、理由があります。
Amazonが持っている検索のデータは……
Googleの検索エンジンを利用するユーザーは、調べものをしたいということが多く、何か買い物をすることを望んでいるわけではありません。しかし、Amazonのサイト内で検索昨日を使用するユーザーは、買い物をすること前提に検索ワードを打ち込んでいます。したがって、Amazonが持っている検索のデータは、直接的に購買や利益に結びつきます。また、その検索ワードからどのような商品が購入されやすいのかというデータも持っているため、これらのデータの可視化できれば、広告主が喜んで使いたくなるような、デジタル広告になり得ます。そうなれば、GoogleやFacebookの独占が終わり、同2社がデータや情報を公開せざるを得なくなることでしょう。
不確実なものに投資する時代が終わる?
これまでデジタル広告について発言することのなかったAmazonですが、最近になって、CFOのBrian Olsavsky氏が、「(デジタル広告で)Googleのような企業と戦うための良い戦略を持っています」と発言しています。これはAmazonが顧客のデータを持っているという以外にも、戦略があるかのように読み取れます。デジタル広告への投資は年々上昇傾向にありながらも、多くのマーケティング担当者がその効果に疑問を抱いてきました。Amazonが3番目のプレーヤーになることにより、その疑問の答えが出る日も近いのかもしれません。