「インフルエンサー=○○」新しい公式がマーケティングを変える?
職場の先輩が使っている名刺入れが使いやすそうで、同じものを買ってしまったり、知り合いの肌のきれいな女性が使っている化粧品を聞いて、同じものを試してみたり、身近な人に感化されて何かを購入、または購入を検討したという経験は、誰しも一度はあるのではないでしょうか。インフルエンサーマーケティングの代理店Influencer ChampionsのGary Knight氏は、「インフルエンサーマーケティングとは、口コミのデジタル版だ」と語りました。冒頭で挙げた例からも分かるように、身近な人からの情報は、身近であるがゆえに自分にも有益な情報であると消費者は判断するものなのでしょう。このような心理を上手く突いたインフルエンサーマーケティングは、以前の記事「最近浮上した「インフルエンサーマーケティング」今後のトレンドは?」でもご紹介したように、今後ますます拡大していくものと考えられます。昨年(2017年)のインフルエンサーマーケティングに費やされた経費の総額は推定20億ドルでしたが、今年(2018年)は100億ドルに上るのではないかと予想されています。
インフルエンサーとはどんな存在?
インフルエンサーは、専門家やリーダーだと捉えられます。したがって、どのような分野におけるリーダーや専門家であるかをカテゴライズすることで、消費者は自分の興味のある分野のインフルエンサーを容易に発見することができます。ブランドはそのターゲットに合ったインフルエンサーを見つけることが大変重要で、それが成功すれば、大きな費用対効果を期待できます。Influencer Championsの統計では、£1に対して£17.21の効果が得られました。
消費者とwin-winの関係を
インフルエンサーを起用するのは、ブランドのためだけになるのではありません。消費者はインフルエンサーから興味のある情報を得ることで、ライフスタイルがより豊かなものになります。しかし、インフルエンサーがブランドの商品を単純に使用していると、ブログやSNSで見せるのは簡単ですが、消費者は時に「これはブランドのPRだ」と感じ取り、興ざめしてしまうようなこともあります。このようなことを避けるために、インフルエンサーとブランドとの間には、ストーリーを構築していく必要がありますが、これは一朝一夕でできるものではありません。そういった意味も含めてか、Gary Knight氏は、インフルエンサーマーケティングを「眠らないマーケティング」だと語りました。またFacebookやinstagramなどのプラットフォームでは、タイミング次第で投稿を見てもらえないということも起こりうるため、各国の活動時間に合わせた24時間体制での投稿も必要となってきます。
「インフルエンサー=ストーリーテラー」
より良いブランドが消費者とwin-winの関係を築くのだとしたら、より良いインフルエンサーは、より良いストーリーテラーであると言えます。自然な形でブランドを愛好しているストーリーを消費者に上手く伝える、創造性の高いインフルエンサーが、ブランドにとって大変重要な役割を担っていくのではないでしょうか。