イギリスで会社を設立する方法|海外で法人登記

イギリス 会社 設立

「海外進出したい」と考える時に、海外に会社を設立するか検討をすることが多いかもしれません。海外に会社を設立すると、「国外にビジネス拠点ができる」「税金や法規制の面で有利な点がある」など多くのメリットがあります。

しかし海外で法人を設立するには言語の面でも不安が大きく、また登記方法は国ごとに異なるため、「具体的にどういった手順を踏むのか分からない」といった声が多いのが実情です。そこでここでは、弊社が拠点を置いているイギリスでの会社や法人の設立方法の概要をまとめていきます。

イギリスに進出なら知っておくべき「会社の形態」

イギリスの会社の形態は大きく分けて、Private limited company – limited by shares (Ltd.)、Private limited company – limited by guarantee (LBG)、Public limited company (PLC)、Limited liability partnership (LLP)、Private unlimited companyの5種類あります。

最も一般的なのはPrivate limited company – limited by shares (Ltd.)で、いわゆる株式会社と同じ形態です。これに加えて、イギリス国外に本社のある会社なら支店や子会社を作るという方法もあります。日本に法人がある場合は、こちらの方法を検討されるのも良いでしょう。

イギリスの株式会社の登記方法と費用は?

※Private limited company – limited by shares (Ltd.)の登記方法株式会社の設立そのものは決して難しい作業ではなく、必要事項をオンライン上で記入し、設立費用である12ポンドを支払えば(こちらもオンライン上で決済可能)、大抵の場合は24時間以内に登記が完了します。

主な必要事項は、会社名、代表者名、株式を分ける人の名前(最低でも1名)、会社の所在地の住所(イギリス国内に限る)です。資本金はたったの1ポンドから登記が可能です。代表者はイギリス国内に住んでいる必要はありませんが、会社の住所はイギリス国内に必要になります。オフィスの場所を借りる場合は、登記用の住所として記載しても良いかを契約の際に確認しておくことをお勧めします。またオフィスの場所を借りなくても、住所だけを貸してもらえるサービスがあるため、イギリスに会社だけを置きたいという場合は、利用するのも良いかもしれません。気になる税金に関してですが、イギリスでは年間の売り上げが85000ポンドに満たない場合は、支払いの義務が生じないため、VATナンバーを取得する必要もありません。

イギリスの支店と子会社の違い

イギリス以外の国に本社がある場合は、支店(branch)または子会社(subsidiary)を設立することができます。支店と子会社の大きな違いは、支店は親会社の事業を英国で代行するというニュアンスが強く、子会社の場合は全く別の事業であっても差し支えがないという点です。支店の場合は親会社がその事業の責任を持ち、子会社の場合は親会社の所有となるものの、子会社自身がその事業の責任を持つことになります。

子会社の設立方法や設立の条件は、上記でご紹介した株式会社に近いため、ここでは支店の設立方法のみをご紹介していきます。

イギリスに支店を設立する方法

支店を作る場合は、オンライン上にあるRegister a UK establishment of an overseas company (OS IN01)という書類に必要事項を記入し、英文の日本法人証明書と、英文の銀行口座の残高証明書と共に、カンパニーハウスへ郵送します。この際の費用は20ポンドで、同じ日に設立を完了したい場合は追加で100ポンド必要になります。

新たに株式会社を作る場合と大きく異なるのは、支店の設立には代表者(支店長)の居住地がイギリス国内に限定されることです。就労ビザを持っていない人が支店を設立する場合、支店の設立に並行してビザの取得をする必要があります。

ビザの取得が容易でないイギリス

会社の設立が容易に思えるイギリスですが、就労ビザの取得は他の国と比較しても、かなり難しい方だといえます。イミグレーションに関する法律が目まぐるしく変更されるイギリスでは、新しい種類の就労ビザが数か月前に発表され、従来の就労ビザの内の数種類は、今後申請できなくなりそうです。

新しく発表されたイノベータービザとスタートアップビザは、取得が不可能というわけではありませんが、申請のためのノウハウがあまり存在していないため、暫く様子を見た方が良いかもしれません。ただし新たに会社を設立する場合は、このどちらかのビザが必要となるため、弁護士への相談をおすすめします。

支店を設立する場合には、代表者が就労ビザを取得する必要がありますが、リプレゼント・オブ・オーバーシー・ビザという種類のもので、既に取得のノウハウが存在しており、比較的安心して申請できそうです。支店の設立や代表者のビザの取得が無事に終われば、支店がスポンサーとしてサポートをするという形で、他の従業員も就労ビザを申請することができます。

いずれにしても、イギリスの就労ビザ申請には弁護士を介するのが一般的で、専門家なしでは、思わぬ書類不備などで申請が退けられた場合、取得までに膨大な時間や費用がかかる可能性もあります。

イギリスで法人向けの銀行口座を開くには?

銀行口座を開くには、会社の住所がイギリス国内にあるだけではなく、代表者がイギリスの就労ビザを持っており、イギリス国内に住んでいる必要があります。会社だけをイギリスに置きたい場合は、銀行口座をイギリス国内に作ることができない可能性が高いので、注意が必要です。

↓銀行口座開設に関しては、こちらの記事をご覧ください。

イギリス銀行口座開設方法|バークレイズ等・大手バンク編【学生・ワーホリ・企業】

イギリス銀行口座開設方法|簡単にオンラインで【学生・ワーホリ向け】

イギリス銀行口座開設方法|簡単にオンラインで【法人向け】

海外の法人登記、手続き方法が分かれば遠くはない?

ビザの取得の面では複雑なイギリスですが、会社の設立はさほど難しくないことがお分かりいただけたのではないでしょうか。(ご紹介したのは、2019年8月現在の情報になります)

そうはいっても、イギリス国外からの登記には手続きの途中で思わぬミスが起こる可能性があり、そういった場合は手続きが長期化してしまう可能性もあります。そのため弊社ではビザの取得にも法人の設立にも、弁護士や専門家へのご相談をお勧めしております。イギリスで会社設立をご検討中の方は、まずはお問合せよりお気軽にご相談ください。

 

【参照URL】

https://www.gov.uk/limited-company-formationhttps://www.coddan.co.uk/private-limited-company-formation/register-a-foreign-company-in-the-uk/branch-establishment-or-subsidiary-company-incorporation/https://www.gov.uk/register-as-an-overseas-companyhttps://paulbeare.com/uk-legal-structures/subsidiary/

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