無知は失礼?外国人や異文化の人と共存するために必要なこと

異文化 無知
 

前々回の記事(着物をファッションに取り入れるのはあり?文化の盗用とは)では、異文化をリサーチしないで流用すると「文化の盗用」と非難される可能性があることについてお伝えしましたが、流用するかしないかに関わらず、異文化の人たちと共存していく上では文化に対する理解や敬意が必要となります。

英語圏では文化の盗用(cultural appropriation)について議論される際に、cultual ignoranceという言葉を聞くことがよくありますが、これは「文化的な無知」と訳すことができます。

たとえば海外では、中華風やタイ風の料理が日本料理として提供されていることが少なくありませんが、なんとなく煮え切らない思いになります。それは決して中華料理やタイ料理が嫌いだからではなく、日本の文化が理解されていないことに憤りを感じるからです。

このように考えると、日本に住んでいる外国人も同じような憤りを感じているのではないかと想像できます。

日本は居心地の良い国ですが…

YouTubeで20万回以上再生されたブラック・イン・ジャパンという動画では、日本に住むアフリカ系アメリカ人が自分たちの生活について語っており、多くの黒人にとって日本は安全で居心地の良い国だということが分かります。

その理由として、日本では人種差別に基づく暴力を受けることや、必要以上に警察に警戒されないことなどが挙げられています。

日本には人種差別がないの?

英国に住む外国人は人口の約14%、米国も同様に約14%であるのに対して、日本は人口の約2%というデータがあります。また、日本に住む外国人の大半はアジア系です。

そのため日本には黒人に対する悪い先入観はあまりなく、暴力のような酷い差別的行動は少ないのかもしれません。

しかしブラック・イン・ジャパンのインタビューによると、不思議そうにじっと見られる、興味本位で肌や髪に触られる等の、些細な人種差別的行動があるのだそうです。

このような人種差別的行動の要因は、日本人がアフリカ系の文化に対して無知で、あまり関心もないということが挙げられます。基本的には礼儀正しいはずの日本人が、無知であるがために相手に不快感を与えしまうのは非常に残念です。

知らなくて失礼!を避ける方法

多様化の時代の流れを受けて、日常生活やビジネスで外国人や異文化の人と関わる機会は増えていく可能性が高いです。

また、インバウンドや海外の人向けにビジネスを行う場合、その人の文化を知らないというだけでクライアントを不快にしてしまうかもしれません。

そうならないために気を付けたいことをまとめました。

①相手の国や文化のリサーチをする

相手の国の歴史や政治について概要をあらかじめリサーチしておきます。そうすることでタブーな行動や話題を避けることができます。

また、相手の国の習慣もリサーチしておくことで、自分自身が焦らなくて済む可能性があります。(例:待ち合わせに時間通り来ないことが多い文化の人もいる、悪い評価もはっきり言うべきだと考えているお国柄もある)

②相手の話を聞く

複数人が集まる場では、日本人のようにあまり自分から話さないお国柄の人もいれば、よく話すお国柄の人もいます。自分の番が回ってきたら話そうと思っているかもしれないので、聞かないと無視されたと感じさせて失礼に当たるかもしれません。

③分からない場合は直接確認する

細かいことであれば知らないのが当たり前なので、相手の国の文化でこれはタブーではありませんか?等と質問することは、失礼だと捉えない人が多いです。

また、異文化の人たちと第一言語以外で会話している場合、お互いに勘違いが起こりやすいため注意が必要です。分からないと言うのが苦手なのは日本人の気質ではありますが、曖昧な部分は確認することを心掛けるべきです。

海外と日本の違いを知りたいなら

同じ日本人同士でも、自分の出身地について間違った知識や偏見を持っている人がいたら失礼だと感じることがあるかもしれません。逆に自分の出身地の特産品が好きだと言われたり、観光に行って楽しかったと言われたら、その後の会話が弾むことも想像できます。

これは海外の人にとっても同じなのではないでしょうか。

次回以降の記事では、様々なシーンにおける日本と海外の違いについて触れていきます。

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