日本と海外ではビジネスマナーにも違いがある?気をつけたい基本9選

海外進出や海外勤務をする際にぶつかり得る文化の違い。日常生活においてだけでなくビジネスシーンにおいても、日本では当たり前だと思っていたことがそうではなかったことに気づき戸惑うこともあるかもしれません。

海外ビジネスのために知っておきたい。日本とイギリスの働き方の違いとは?」では、職場文化の違いについて書きましたが、今回はビジネスマナーに注目しました。

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 ① 名刺交換より握手を交わして名乗り合う

日本ではアポイントメントで商談相手などに初めて会うときに、最初に名刺交換を行いますが、海外では名刺交換を重要視していないところが多いです。日本では名刺の持ち方や渡し方などまで細かなマナーがあり、商談の一部に組み込まれた儀式のようですが、海外では名刺は身分証明や話のきっかけを作る材料になったり、相手を覚えておくためのものという認識です。

最後に名刺交換をすることもありますし、それよりも握手を交わして自分の名前を名乗り合うことが一般的とされています。

 

② 「Yes」「No」を明確に

“ノーと言えない日本人”とよく言われるように、日本人は相手に気を遣うがためにはっきり「No」と言わなくても遠回しに拒否していることがあります。これは、日本語の表現が持つ性質も関わっているのではと言われています。例えば、「これはあなたのペンではないですよね?」と聞かれ、自分のペンでなければ英語では「No」となりますが、日本語では「はい、違います」と「Yes」を含んだ回答になります。

このように、会話の形式として「No」の場合でも「Yes」と答える文化があります。そこに丸く収めようとする日本人独特の性質も加わり、遠まわしな返答になってしまうのでしょう。しかし、海外では、曖昧な回答は相手を困惑させてしまい、本当に言いたいことが伝わりませんので注意しましょう。

 

③ 空気を読んでくれると思わず、自分の意思をはっきりと伝える

日本では相手の気持ちを読んだ先回りした行動を取ることが美徳とされる空気を読む文化が存在します。しかし、海外では、全てを伝えなくても相手が意図を読み取ってくれるだろうという考え方は通用しません。ビジネスは妥協でするものではないので自分の考え方や意見をはっきり通すといった傾向があります。

日本人では、むやみに発言すると責められたり揉め事へと発展してしまうこともあるため、重要な打ち合わせの場などでは黙っている方が無難であると感じてしまうこともありますが、海外では意見を言わないことはマイナスに捉えられてしまいます。

 

④ 「すみません」と言いすぎない

日本では「すみません」「申し訳ありません」と簡単に謝罪する場面がよく見られます。

しかし、海外では自分に非があり本当に申し訳ないと思っている時にしか謝罪の言葉は使いません。

「すみません」という言葉は単に謝罪の時だけでなく、「失礼します」や「ありがとうございます」を含んだ意味であったり、人を呼び止める時などに使用できるため大変便利です。口癖のようになってしまっていることもありますが、多用しすぎるとプライドのない人と思われたり、なぜ謝ってばかりいるの?と不信に思われたりすることもありますので気を付けたいですね。

 

⑤ ビジネス上の関係を円滑にするきっかけ。「スモールトーク」を大切に

欧米ではエレベーターの中や何かの待ち時間などで面識のない人とでも雑談をしている風景がよく見られます。

スモールトークは天気の話などちょっとした雑談や世間話のようなもので、ビジネスシーンでもお近づきになれる大切な機会だと捉えられています。最初からプライベートなことを聞くのは場合によっては失礼に当たるため、やはり天気の話や相手が身につけているものをさりげなく褒めたりすることが無難なようです。

 

⑥ 効率の良さが優先。ビジネスメールも簡潔に

海外の方は効率優先で考えるため、メール1つでも丁寧なあいさつから始まるわけではなく、要件のみを伝えるのが一般的です。

ビジネスメールも定型文がなく、いかに伝えたい内容を簡潔に伝えることができるかが重要なので、敬称や敬語などは不要。迅速なコミュニケーションを意識して文章を作りましょう。

取引で必要な見積もりや値段交渉においても、希望価格で出来ないものはすぐに候補から外します。

 

⑦ 目上の人かどうかに関係なくレディファーストで

日本では、エレベーターの立ち位置や車の座席などがすべて肩書きや役職順で決まっていますが、欧米ではレディファーストが普通です。

面識のない女性にバスに乗り込む順を譲ったり、建物内に入る時にドアを開けておくといった行動をよく目にします。

 

⑧ 上司や接待相手にお酌はしなくても良い

会社の飲み会でも接待の場でも、上司や取引相手などにお酒を注ぐことは一般的ではありません。

日本ではお酌もコミュニケーションの1つとされ、しないと気が利かないとマイナスなイメージを持たれてしまいますが、海外では自分で注ぐかウェーターが注ぐのが一般的です。

 

⑨ 店員さんを呼ぶときはアイコンタクトで

日本では、飲食店などで注文をする時に「すみません」と大きな声で手を挙げて呼ぶ人が多いと思います。

しかし、欧米ではこれはマナー違反とされ、アイコンタクトか近くに来た時に「Excuse me」と小さく声をかけます。店員さんはサーブをする人ですが召使いではありません。接待相手の前で恥をかかないためにも知っておきたいマナーです。

文化の違いを把握して円滑なコミュニケーションを

 常に相手の気持ちを気遣い行動することが素晴らしいとされる日本のマナーとは違ったマナーが海外にはあるということを改めて分かって頂けたでしょうか。「郷に入っては郷に従え」という諺のように、海外で働くときにはその国でのマナーを把握して、コミュニケーションに役立ててみてください。

弊社では、海外進出や現地でのスタッフ採用などのサポートを行っています。ご興味がありましたら「お問い合わせ」よりお気軽にご相談ください。

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