日本&海外マーケティングの違い|ローカライゼーションの必要性
日本で人気のある製品やサービスであれば「海外でも当然ウケるだろう」と考えてしまいがちですが、実際に海外進出してみると、そんなに簡単ではないと感じることが多いかもしれません。
大手企業であっても、一度海外に出店したのに撤退したり、マーケティング手法を変えて生き残ったりと、なかなか一筋縄ではいかないことが多いのです。
以前の記事「ローカライゼーションのポイント&具体例【海外進出成功の秘訣】」では、製品やサービスを現地向けに改良することの重要性についてお伝えしましたが、この記事では製品やサービスを効率よく売るために必要な、海外向けマーケティングについて考えてきます。
日本と海外、マーケティングの意味の違い
goo辞書で日本語の「マーケティング」を調べると、下記のような意味があることが分かります。
顧客ニーズを的確につかんで製品計画を立て、最も有利な販売経路を選ぶとともに、販売促進努力により、需要の増加と新たな市場開発を図る企業の諸活動。
次にオックスフォード現代英英辞典で英語の「Marketing」を調べると、下記のようになります。
the activity of presenting, advertising and selling a company’s products or services in the best possible way
(訳:可能な限り最善の方法で、会社の製品またはサービスを宣伝し販売する活動)
これらを比べると特に大きな違いはないように思われますが、日本語では「計画を立てること」が明記されているのに対し、英語では「最善を尽くすこと」が明記されています。辞書によっても説明のされ方が異なるでしょうが、日本と海外ではマーケティングに対する考え方に若干の違いがありそうです。
日本と海外のマーケティング、最も大きな違いとは
大まかに言うならば、日本のマーケティングでは「計画」が重視され、海外のマーケティングでは「スピード感」が重視されるという違いがあります。
たとえば、日本ではターゲット層やその層が好むものなどを調査し、緻密な計画を組んで広告を出稿することが一般的ですが、海外では大まかなプランだけで、とりあえず広告を出稿します。そうして結果の良かったものだけを改良して、新たな広告を出稿します。結果が悪かったものに対して細かい分析をすることは、あまりありません。
日本のマーケティングが百発百中を狙うのに対し、海外のマーケティングはトライ&エラーを繰り返しながらより良い結果を得ていくようなイメージです。
テレビや雑誌の広告など一度で大きな予算がかかるマーケティングでは、日本の慎重なアプローチが好ましいのでしょうが、一つ一つにあまり予算がかからないオンライン広告などのマーケティングでは、海外のスピード重視のアプローチが好ましいといえるでしょう。
日本企業が海外向けにマーケティングを行う場合、スピードの面で他国の競合企業に適わない可能性があります。
海外でも国によって違いがある
日本のマーケティング担当者が「日本と海外の違い」に興味を持っているように、英語でGoogleの検索ニーズを調べると、「米国と英国のマーケティングの違い」に興味を持っている人がいることが分かります。
言語がほぼ同じであるため、この2ヶ国のトレンドは似ていますが、「企業が考慮するべき社会問題は何か」という問いに対し、英国では「気候変動」という回答が最も多く、米国では「人種差別」という回答が最も多いという違いが見られました。同じ商品を宣伝する場合でも、英国では環境に優しいこと、米国では多様性を考慮していることをアピールすれば、より多くの消費者の心を掴むことができそうです。
また、効果的なマーケティングの手法も異なり、英国ではEメールマーケティングの効果が米国よりも高く、米国ではSNSマーケティングの効果が英国よりも高いというデータがあります。米国企業が英国の消費者にEメールで宣伝活動を行う場合、同じ英語という言語を使用しているにも関わらず、米国人が好む直接的な表現の短文を避け、英国人が好みそうな若干間接的な表現の長文にするべきだと考えているマーケティング担当者も多いようです。
進出国の文化や習慣のリサーチを
似ているように思える英国と米国でも違いがあるように、海外といっても国によって違いがあるため、マーケティングを行う上では進出国の文化や習慣をリサーチする必要があります。
弊社では海外市場調査やリサーチを承っております。ご興味のある方は「お問い合わせ」よりお気軽にご連絡ください。