紳士の国イギリスのマナーは厳しい?①日常生活12の常識

外国生活を満喫するのに良い方法は現地の人々のやり方に従い、文化に浸ることです。現地の人々に紛れて暮らすには、やはりその場所ならではのマナーを心得ておきたいものです。「日本と海外ではビジネスマナーにも違いがある?気をつけたい基本9選」では、海外で働くときに知っておくべきマナーを挙げましたが、今回はちょっとした旅行から留学や仕事での長期出張などでイギリス滞在することになった方向けに、現地の日常生活において必要なマナーをご紹介します。

※タイトルの「常識」は、マナーを常識(知識・判断力)に基づく行儀作法と捉えた上で使用しています。

世界で最も礼儀正しい国は?あなたにとって良いマナーの尺度とは?

 アメリカのインフォテインメントウェブサイトHowStuffWorksによると、世界で最も礼儀正しい国はニュージーランドとされています。これは、メガバンクHSBCが行った調査―「友達をつくるのがいかに簡単か、仕事で歓迎されていると感じ新しい文化全体に順応しやすいか」という駐在員への問い―、さらに、世界経済フォーラムが行った「観光客に優しいスポットはどこか」という調査におけるランキングが基になっています。(ニュージーランドは前者で1位、後者で2位でした。)

イギリスは紳士的でマナーを重んじる国というイメージがありますが、「旅行者にとって最も無作法な国トップ4」に、フランス、ロシア、英国、ドイツという順でランクインしています。

礼儀正しさを判断する材料は様々であるため、総合的に礼儀正しい国を決めるのは難しく、感じ方も人それぞれであることから、このような結果になったと思われます。

イギリス人の特徴・文化を知る【12のマナー&エチケット】

① 「すみません」「ありがとう」など挨拶は常識

イギリス人が「すみません」と言うとき、必ずしも自分に責任がある場合だけとは限りません。道で誰かとぶつかってしまったとき、わざとでなくとも誰かの邪魔をしてしまったときなど、どちらのせいということなく謝罪することが礼儀正しいと考えられています。

また、バスを降りる際に運転手に「ありがとう」と言って降りていく人を多く見かけます。どんな状況でも相手を気遣い、その気持ちを自然と言葉に表すことはイギリス人にとって当たり前のことなのです。

② バスや電車のマナー「乗るときは降りる人優先」

バスでも電車でも降りる人が優先です。乗るときはラッシュアワーの東京のようにきちんとした列になっているわけではありませんが、自分より前にいる人を抜かさないように順番に乗り込む印象です。

 

③ 知らない人と目が合っても逸らさない

電車内や道で目が合ってしまったときは、知らない人でもにっこりと微笑みましょう。人の顔をジロジロと見ることは失礼に当たるため慌てて目を逸らしがちですが、合ってしまったら無言で逸らす方が失礼です。

④ 順番を守る。列の横入りをしない

列に並ぶのが好きというわけではありませんが、イギリス人は列を尊重する人々です。明らかな列がなくても、自分より先に来ていた人を飛ばさないことが暗黙の了解となっています。待つことに対して我慢強く、スーパーのレジなどで誰かがもたもたして列がスムーズに進まなくても文句を言うことなく待ち続けます。

横入りをした人が注意されているシーンに出くわすこともあるかもしれません。もし並んでいるかどうか分からない人がいたら、「Are you queuing?(並んでいますか?)」と確認しておくと安心です。

⑤ 人前で鼻をすすらない

日本では人前で鼻をかむことは良くないとされ、鼻水が垂れそうになったらつい鼻をすすってしまいがちです。しかし、イギリスでは鼻をすする音が好まれず下品な行為と見なされます。人前であろうと大きな音を立てて鼻をかんでいる人を実際に見かけます。鼻水が垂れそうになったら躊躇わずに思い切り鼻をかみましょう。

因みに、くしゃみをするときは掌ではなく腕でカバーします。

⑥ イギリス人は距離感を重んじる。子どもの頭を撫でるのもNG?

欧米ではボディータッチもコミュニケーションの1つというイメージがありますが、イギリス人は「親しき仲にも礼儀あり」と、絶妙な距離感を保っています。

また、「イギリス人の」という訳ではありませんが、子どもの頭を撫でることは避けた方がいいとされています。特にインドでは頭は神が宿るところであるため触ってはいけないという文化があります。ロンドンにはインド系の方も多く住んでいるので気を付けた方が良いと思われます。

⑦ プライベートな質問は避ける ―宗教に関する話題は要注意

イギリス人は議論が大好きですが、知り合ったばかりの人に対してはプライベートに踏み込んだ質問はしない方が無難です。過度な干渉は好まれません。特に、様々な人種の方が住んでいることもあり、宗教的な話題はよほど知識がない限り避けた方がいいかもしれません。

また、イギリスは複合民族国家(Britain)であることから、相手の出身地を知らずに「English」などと一括りにすると相手を不快にさせてしまうこともあるので気を付けましょう。

⑧ レディファースト ―ドアは次の人のために押さえておく

手動ドアの場合は、自分が出入りした後もすぐに手を放さずに次の人のために押さえておくのがマナーです。女性が近くにいた場合は先に通してあげます。バスや電車に乗り込むときも、女性が自分より後に並んでいた場合でも順番を譲ることがレディファーストの国イギリス流です。

⑨ パブでのお会計はラウンド式

イギリスを代表する文化の1つであるパブ。パブはイギリス人にとって大切な社交の場であり、どんなに小さな村にも1件は存在しています。友人や同僚に誘われてパブへ行くこともあるのではないでしょうか。

グループで訪れた場合の注文は、バラバラに行くのではなく誰か1人が代表で全員分の注文を行い、お会計もまずはその人がします。そして、2杯目を注文するときは別の人が注文とお会計をするというように順番におごり合います。一方、レストランでは割り勘が普通なようです。

⑩ 基本的に時間厳守

ロンドンには様々な文化を持つ方がいるため、待ち合わせをする人や時と場合によりますが、基本的に誰かの家に招待された場合は時間通りに到着することが期待されます。遅れる場合は10〜15分くらいが無難でしょう。

⑪ 誰かの家に伺うときは靴を脱ぐべきかどうか尋ねる

欧米では土足のまま家に上がるイメージがありますが、イギリスではそのお宅によって、靴のまま上がるようにしているところと玄関で脱ぐようにしているところとあります。中にはお客さまだけ土足で上がっても良いとしているお宅もありますので、上がる前に聞いてみましょう。

⑫ お世話になった方へのご挨拶は「グリーティングカード」

イギリスはカード文化のため、カード専門店があちこちに存在し、スーパーにも様々なシチュエーションに使えるカードが豊富に揃えられています。大した内容でなく、「おめでとう」「ありがとう」という一言だけでもクリスマスや誕生日などの特別な日にはカードを贈り合います。

留学中のホストファミリーなどお世話になった方に、カードで感謝の気持ちを伝えたらきっと喜ばれますよ。

▼イギリスのグリーティングカード市場についてはこちら       

イギリスのグリーティングカード市場①根付くカード文化・紙媒体でも需要あり?

イギリス人と日本人の国民性は似ている?

 こうして基本的なマナーを挙げてみると、イギリス人のマナーやエチケットを重んじる紳士的な部分、その一方で度が過ぎた干渉を好まないという国民性が窺えます。日本人である私たちも既に身に着けているマナーが多く、日本的礼儀作法とも通じるところがありますよね。

過去記事「ロンドンで「日本文化」を楽しめる【人気スポット案内】」でも述べたように、島国で育った日本人とイギリス人には性格上の共通部分があるのかもしれません。

 

▼イギリスのマナーシリーズの続きやビジネスマナーの記事はこちら

紳士の国イギリスのマナーは厳しい?②テーブルマナーのタブー

紳士の国イギリスのマナーは厳しい?③アクセントで階級が分かるって本当?

紳士の国イギリスのマナーは厳しい?④上流階級の文化アフタヌーンティー

日本と海外ではビジネスマナーにも違いがある?気をつけたい基本9選

 

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出典:

https://everythingwhat.com/goto/433398

https://everythingwhat.com/what-country-has-the-best-manners

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