ホスピタリティとは?①意味・語源・使い方&サービスやおもてなしとの違い
過去記事「おもてなし=ホスピタリティなの?日本と海外の接客の違い」において、「ホスピタリティ」は日本特有の「おもてなし」と同義なのか、日本と海外の「おもてなし」の具体的な違いから考えてみました。
しかし、そもそも「おもてなし」とは何なのか?今回は、ホスピタリティの意味など基本情報を再確認し、ホテル&コンビニの事例から日本と海外のおもてなしに対する違いを見てみました。
ホスピタリティとは?
ホスピタリティの意味・語源・使い方
「ホスピタリティ」とは、一般的には「他者への手厚いもてなし」という意味で捉えられています。それに加え、特定非営利活動法人日本ホスピタリティ推進協会は、
主客の両方がお互いに満足し、それによって信頼関係を強め、共に価値を高めていく「共創」がホスピタリティにおける重要なキーワードなのである。
としています。つまり、「他者への手厚いもてなし」は自分から相手へ一方通行に向かうものではなく、おもてなしを受ける相手が満足し、それに対して自分も喜びを感じるという相互関係の上に成り立つものだと定めています。
「ホスピタリティ」という言葉の語源は、ラテン語で客人を厚くもてなすという意味の「hospitium」や客人をもてなす主人という意味の「hospes」が元になっていると言われています。その派生語「hospice(巡礼者や傷病者のための安息所・巡礼者や旅行者のための宿泊所・避難場所)」や「hospital(病院)」から感じ取れる“外から来た人を護る”という意味合いからも、「ホスピタリティ」とは単なるおもてなしではなく、心からのおもてなしであることが分かると思います。
使い方は、「ホスピタリティマインド」や「ホスピタリティが高い人」「ホスピタリティに欠けている」「ホスピタリティを持って仕事に臨む」というように、形容詞や名詞として使うことができます。
ホスピタリティは英語ではホスピタリティ産業(業界分類)でもある
過去記事「おもてなし=ホスピタリティなの?日本と海外の接客の違い」でも触れましたが、英語には「Hospitality industry(ホスピタリティ産業)」という言葉があり、人的接客サービスを提供する業種をひとまとめにしてこう呼びます。
そのため、海外の方との会話の中で「ホスピタリティ」が出てきたら、「Industry」が略されている場合もあるので、必ずしも「おもてなし」と訳せるわけではないということを覚えておきましょう。
ホスピタリティが高い人は「ホスピタリティマインド」を持っている
よく言われる「ホスピタリティが高い人」とは、どのような人のことを指すのでしょうか?それは、相手を想う心「ホスピタリティマインド」を持った人です。
その相手とは、仕事上のお客様だけではありません。仕事においてサービスの質を上げるための心持ちももちろん大切ですが、それだけでは、やはり義務感が伴ったものという印象が否めません。すべての人に対して常日頃から心配りができ、それが自然と行動や考え方に出てしまうような人こそ「ホスピタリティが高い」と言えるのではないでしょうか。
ホスピタリティとは?サービスや日本のおもてなしとの違い
サービスとの違い
「ホスピタリティ」の語源については先に説明しましたが、「サービス」の語源はラテン語で奴隷という意味の「servus」とされています。 これらの語源を比較しても感じるように、「ホスピタリティ」は利害関係なく自主的に行うもの、「サービス」は何となく強いられて行うものという点に違いがあるのではないでしょうか?つまり、他者への心配りが報酬に対する労働であるか否かで区別をすることができます。
日本のおもてなしとの違い
ホスピタリティはラテン語が英語になり日本に入った言葉であるため、海外で用いられる「ホスピタリティ(おもてなし)」と意味は同じでも度合いに少し温度差があります。どちらも他者をおもてなしする意味ではありますが、日本のおもてなしの場合は、そこまでやる必要があるかと思うほどに相手を喜ばせようという過度な印象があります。
▼「ホスピタリティと日本のおもてなしの違い」についての詳細は過去記事をご覧ください。
ホスピタリティにおいて大切なことは?ビジネスでもきっと役立つ
ホスピタリティを高めるには、「相手の立場になって考える」「相手の話をよく聴く」「笑顔で接する」など様々な方法があり、何を意識するかは人それぞれです。しかし、ホスピタリティの元になるどんな行動も、どうしたら相手が喜ぶかという想像力によってまず起こされるものではないでしょうか。
日本では、「おもてなし」は「表なし」としても知られるように、裏表のない心からの気遣いです。そのような打算のない心配りは、ビジネスにおいてもターゲットや営業先、チームのメンバーなど多方面に有効に働くと考えられます。
例えば、新商品・サービスの開発にはターゲットとなる人々の立場になって考える力が必要です。ホスピタリティ産業に含まれないビジネスにおいても、ホスピタリティマインドを持つことは大切と言えるでしょう。
再来週の記事では、ホテルやコンビニにおいてのホスピタリティ事例についてご紹介します。
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