AR・VR・MRとは?①XRそれぞれの違い&課題をわかりやすく解説

過去には実現不可能だと思われたようなことも、テクノロジーの驚くべき発展により現実化されつつある今。最近よく耳にする「AR」や「VR」「MR」などといった言葉もその1つです。これらが製品やサービスにも活用されるようになり、マーケティング分野でも戦略として取り入れられるなどトレンドとなっています。

「AR」「VR」「MR」は「XR(クロスリアリティ)」と総称され一般にも浸透してきていますが、どれも2文字のアルファベットで紛らわしく、「何の略だっけ?」「どれがどれだっけ?」と混乱してしまう人も多いのではないでしょうか?

この記事では、検索が多かったワードを元にXRの説明とそれぞれの違い、特に活用が顕著なインバウンド分野における事例を2回に渡りご紹介します。

 

※    「XR(クロスリアリティ)」は英語でCross Reality。Extended Reality(エクステンディッド・リアリティ)の略とする説もあり。 

 

ARとは?VR・MRとの違いをわかりやすく

ARとは拡張現実

「AR」とは英語Augmented Reality(アグメンティッド・リアリティ)の略で「拡張現実」を意味します。

現実世界にコンピュータで生成した情報を重ね合わせ、その名の通り現実を拡張する技術です。

現実風景にCGでつくられた3D映像やキャラクターなどのデジタルコンテンツを重ねて表示するもので、一時世界中で流行した「ポケモンGO」もその1つです。

                         

▼こちらの記事ではARを活用したグリーティングカードをご紹介しています。

イギリスのグリーティングカード市場①根付くカード文化・紙媒体でも需要あり?

 

VRとの違いは?

「VR」とは英語Virtual Reality(バーチャル・リアリティ)の略で「仮想現実」を意味します。

コンピュータ上に生成したデジタル空間、すなわち仮想空間を現実世界であるかのように疑似体験できる技術です。

例えば、VRゴーグルなどのデバイスを使用すると視覚・聴覚・触覚的な情報を360°広がる空間から感じ、あたかもその世界の住人になったかのような感覚を得ることができるゲームなどがあります。単純に映像を見るだけでなく、そこで自由に移動したり実際の手足を動かして仮想空間上のものを動かしたりできるものもあります。

ARは実在する風景に人工的な情報を追加して仮想的に拡張しますが、VRは仮想世界を現実に見せるためのものであるため似ているようで違うものなのです。

 

MRとの違いは?

「MR」とは英語Mixed Reality(ミックスド・リアリティ)の略で「複合現実」を意味します。

「ミックスされた」という英語からも分かるように、現実空間と仮想空間を融合させ、相互にリアルタイムで影響し合う空間を構築する技術であり、XRの中で最も高度な3D開発が必要と言われています。

具体的には、MRゴーグルのセンサーやカメラが現実空間の形状や広さを認識し、レンズ部分にホログラムを表示させます。現実空間にホログラムが重なることで、実体がそこにあるかのように見えるのです。

ユーザーの位置や動きに合わせたホログラムの表示や、ユーザーがデジタル情報を触って操作したり遠隔地にいるユーザー同士で同時に体験をしたりすることが可能です。この点がARと異なる点です。

「VR(仮想現実)」と「メタバース」の違いは?

情報通信白書令和4年版によると、世界市場で2021年に4兆2,640億円だったものが2030年には78兆8,705億円まで拡大すると予想されており、将来性のある「メタバース」。元々は「メタ(Meta:超越)」と「ユニバース(Universe:宇宙)」を合わせた造語で、アメリカのSF作家Neal Stephenson(ニール・スティーブンソン)が小説『スノウ・クラッシュ』(1992)において仮想空間の名称として使用したのがはじまりでした。

今では、自分の分身アバターを操作して空間内を移動したり、他のユーザーとコミュニケーションを取ったりが可能な「仮想空間」に対して使われるようになっています。

VRも仮想を意味する言葉ですが、仮想空間を体験できるツールという意味合いが強く、他のユーザーと交流ができる仮想空間そのものを指すメタバースとは少し違います。

 

XRはビジネスをどう変えるのか。AR・VR・MRにはまだまだ課題も

XRそれぞれの違いを改めて簡潔に整理してみましょう。

ARが現実世界を主体として仮想を映し出すのに対し、VRは100%仮想世界であり、MRは現実世界が主体だが仮想世界とも融合していて現実世界を3次元で認識できる点に違いがあります。

どの技術も、ゲームやエンターテインメント分野だけでなく、テレワークや購入前のシミュレーション、オンラインツアーなど、ビジネスシーンの幅広い分野で活用が期待されています。

一方で課題もあります。高度な技術や高額な導入費用が必要であること、ユーザーの健康被害への懸念や個人情報漏えいの危険性、著作権問題などです。

技術者の育成や情報交換のためのコミュニティ運営、政府や自治体からの補助金・助成金を活用できる環境などを考えていかなければなりません。

 

XRがさらに進化し、仮想世界で私たちが過ごす未来が実現するときがくるのでしょうか?今後XRがビジネスや生活をどう変えていくのか楽しみですね。

 

再来週の記事ではXR、主にARやVRを活用したインバウンドビジネスの事例をご紹介します。

 

 

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出典:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r04/html/nd236a00.html

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