お正月*日本と海外の違い/イギリス,アメリカ,欧米諸国 新年の過ごし方

お正月 日本 海外 違い

新年、明けましておめでとうございます。日本のお正月といえば、初詣、お節料理、鏡餅、門松、凧揚げ、羽子板など、伝統的なものがたくさん思い浮かびます。今回の年末年始も実家に帰省して、家族と共に伝統行事や恒例行事を楽しんだ方も多いのではないでしょうか。

日本以外の国々でも年末年始は休暇であることが多いため、皆それぞれに異なる楽しみ方をしています。この記事では日本とは文化が大きく異なる、欧米の国々を中心に、大晦日からお正月にかけての過ごし方を紹介します。

※海外の年末年始の休暇については、こちらの記事もご参照ください。

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イギリス 新年の過ごし方

イギリスでは大晦日の夕方から夜にかけて仲間内で集まり、新年を盛大に祝うことが一般的です。クリスマスは両親や親せきを訪問するなど、家族で過ごすのに対し、年越しは恋人や友人とカジュアルに過ごすことが多いです。パブやバーのイベントに出掛ける人もいれば、自宅でホームパーティーをする人もいます。

ちなみに、クリスマスツリーなどの飾りは新年までそのままにしておくことが一般的です。これはイギリスだけでなく、欧米では共通の習慣のようです。

イギリスの新年の料理&食べ物

クリスマスには七面鳥やクリスマスプティングなどの伝統料理があるイギリスですが、新年には特に決まった料理がありません。ホームパーティーではチーズやスモークサーモンなどを大皿に載せたり、クリスマスとあまり変わらないような肉類のロースト料理が出たりもします。シャンパンやワインなどのアルコール類はほぼ必須です。

パブやバーでは、無料で軽食やお菓子が振舞われることもあります。

日本のように三が日を祝うことはないので、大晦日が終わると、新年でも普段通りの食事に戻ります。

イギリスの年末年始カウントダウンイベント

年末年始カウントダウンイベントは世界の色々な都市で開催されていますが、ロンドンのカウントダウンイベントも大変な盛り上がりを見せます。

ロンドンのカウントダウンイベントは毎年テムズ川沿いで行われ、ビックベンやロンドンアイを背景に花火が打ち上げられます。イベントが行われているエリアに入るのにはチケットが必要で、毎年11月頭頃に販売されますが、すぐに完売してしまうようです。また、イベント会場には仮設トイレがありますが、混雑している上あまり清潔ではないそうなので、大人用のおむつをしていく人もいるようです。

カウントダウンイベントはロンドン市民が毎年行くものというより、観光客向けの印象が強いです。一般市民はイベント会場には行かずに遠目から花火を眺めるか、自宅のテレビでイベントの中継を見ながら年越しすることが多いようです。

イギリスの新年の挨拶

イギリスに限らず、英語圏での「明けましておめでとうございます」はお馴染みの「Happy New Year」です。ただ、日本の新年の挨拶は年が明けてからされるのに対し、英語圏では年末から「Happy New Year」と挨拶します。クリスマスカードにはクリスマスの挨拶と共に、「Happy New Year」と書かれていることも多いです。

ドイツ 新年の過ごし方

ドイツには「紅白歌合戦」のような、年末に必ず放送する番組があります。それは「Dinner for One」という20分弱のコメディー動画です。元々はイギリスのイギリスの作家ローリ・ワイリーが劇場用に書いたものでしたが、イギリスのコメディアンのフレディ・フリントンとメイ・ウォーデンが出演しているものをドイツのテレビ局が録画し、ドイツ語のオープニングを付けて放送したのだそうです。したがって、オープニングだけはドイツ語ですが、他は英語のまま放送されています。ドイツ以外にもオーストリア、スイス、デンマーク、スウェーデン、フィンランド、エストニアなどで放送されているようで、反対になぜ英語圏で放送されないのか不思議に思っている人もいるようです。

また、ドイツにはカルタや福笑いのような恒例のゲームもあります。それはブライギーセンと呼ばれるもので、ろうそくで溶かした鉛を水に浮かべ、それがどのような形に固まったかで新年を占います。単純なゲームというよりは、日本の御神籤のような要素もありそうです。メジャーなゲームであるため、鉛やスプーンなどをセットにした商品も販売されています。

ドイツの新年の料理&食べ物

ドイツでは大晦日にベルリーナー・プファンクーヘンという、イチゴジャムが入った揚げパンを食べる習慣があります。また、新年にはノイヤールスブレーツェルというパンを食べてお祝いをします。パンが好きなドイツらしい食べ物ですが、豪華なお祝い料理でないところが日本とは異なる印象です。

イタリア 新年の過ごし方

イタリアでは地域によって大晦日に祝う場合と、年が明けてから祝う場合があるようです。これは歴史的に見るとイタリアが小さな国の集合体であるからなのかもしれません。

イタリアの新年の料理&食べ物

地域差の大きいイタリアですが、不思議な事に新年を祝う食べ物はどこも同じなのだそうです。定番の肉料理はザンポーネとコテキーノの二種類ですどちらも塩とスパイスを混ぜ込んだ豚肉のミンチを詰めたソーセージですが、コテキーノが腸詰であるのに対し、ザンポーネは豚足詰という日本では馴染みのない形態です。これらにレティッキエというレンズ豆の煮込み料理を添えます。これらには日本のお節料理のような縁起担ぎがあり、豚は健康や繁栄を意味し、コインに似ていることからレンズ豆はお金を意味するのだそうです。

また、イタリアでは大晦日に外食する人が多いようで、予約なしでレストランに入ることは難しい模様です。

フランス 新年の過ごし方

フランスの新年の料理&食べ物

フランスには盛大に年末年始を祝う文化はないようです。それでもガレット・デ・ロワという新年向けのケーキがあります。このケーキの中にはフェーヴという人形が入っていて、取り分けたケーキにフェーヴが入っていた人は一年間幸せが続くという言い伝えがあるそうです。

オランダ 新年の過ごし方

普段は花火が禁止されていつオランダですが、大晦日と女王の誕生日の時だけは特別に花火を挙げることが許されます。普段禁止されているだけあり、大晦日には様々な場所で花火の音が鳴り響きます。

オランダの新年の料理&食べ物

オランダにも定番の新年向け料理があり、オリーボルという多いなドーナツです。見た目の大きさには驚きますが、リンゴやレーズンなどが入っていて、親しみやすい味だそうです。

スペイン&ポルトガル 新年の過ごし方

スペイン&ポルトガルの新年の料理&食べ物

スペインには大晦日の鐘と同時に、12粒のブドウを食べる習慣があります。鐘が鳴っている間に、12粒のブドウを食べ終えると願いが叶うという言い伝えがあるそうです。

隣国のポルトガルにも同様の習慣がありますが、生のブドウではなく干しブドウを食べることが一般的のようです。

アメリカ 新年の過ごし方

アメリカの年末年始の休暇は大晦日と元日の2日のみで、日本のように新年をゆっくりと過ごす習慣はありません。それでも新年を迎える瞬間に、家族や恋人など大切な人とキスをする習慣があります。タイムズスクエアのカウントダウンイベントの映像などで、そのようなカップルを見たことのある人も多いのではないでしょうか。

アメリカの年末年始カウントダウンイベント

ニューヨークのタイムズスクエアのカウントダウンイベントは大変派手ですが、ニューヨーカーのためのイベントというよりは、やはり観光客向けという印象です。海外からだけでなくアメリカ国内からも観光客が集まり、大変な賑わいになります。大晦日のマンハッタンはカウントダウンがある夜だけでなく、1日中歩行が困難な状態になります。

また、年末年始にタイムズスクエア周辺のホテルに宿泊するのには、かなりの金額と支払う覚悟が必要です。ロンドンのカウントダウンイベントと同様に、あるいはそれ以上にトイレに行くのが難しいので、大人用のおむつをしていく人が多いようです。

アメリカの新年の料理&食べ物

アメリカ全土で定番のお正月料理はありませんが、南部には元旦にホッピンジョンいう炊き込みご飯を食べる習慣があるようです。カロライナ・ピー・アンド・ライスと呼ばれることもあり、その名の通り、豆の入ったご飯です。そう聞くと日本のお祝では定番の、赤飯を思い浮かべる人も多いかもしれません。

アフリカから来た奴隷の子孫によって受け継がれてきた伝統料理ですが、豆がお金を象徴していることから縁起担ぎで新年に食べられています。イタリアではレンズマメをお金に見立てていましたが、世界の全く別のところで似た文化や習慣があるのは興味深いです。

お正月の文化を大切に

様々な国の年末年始の文化や習慣を比べてみましたが、日本のお正月は特別な文化であることが分かります。今年のお正月をどう過ごしたかは人それぞれでしょうが、これからも毎年お正月の伝統を引き継ぎ、大切にしていきたいものです。

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