日本の米は世界一?米の生産量などの世界ランキング2024【最新】
今年8月、日本のメディアでは米不足に関するニュースが流れました。スーパーマーケットの米売り場から米が消え、直売所では少しでも多くの顧客に行き届くように、袋売りをやめて量り売りをはじめたところもあったようです。
この要因は、猛暑による米そのものの収穫量低下や品質低下で市場に流通する白米の量が減少したこと、そこにコロナ禍からの回復で外食産業やインバウンド事業における米の需要が伸びたことが重なったことだと考えられています。つまり、需要と供給のバランスが崩れたということです。
過去記事「おにぎり海外の反応/アメリカのコンビニでも買える!?」において、欧米ではおにぎりブームが起きていることをお伝えしました。英国で最もオンライン検索された料理トップ10では、インド料理、イタリア料理、中華料理、タイ料理に続いて日本料理が5位にランクインしています(2024年2月時点の月間平均検索数)。
海外での日本食人気は現在も継続中のようです。今回はそんな日本食に欠かせないお米に注目してみました。日本のお米は海外でどれくらい普及しているのでしょうか。2記事に渡ってお伝えします。
【最新】米の「生産量」「消費量」「輸出量」世界ランキング 日本の米は……?
米の生産量トップ5(2023年/2024年)
1位 中国························ 1億4,462万トン(28%)
2位 インド····················· 1億3,783万トン(26%)
3位 バングラデシュ······· 3,700万トン(7%)
4位 インドネシア·········· 3,302万トン(6%)
5位 ベトナム················· 2,663万トン(5%)
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10位 日本······················ 730万トン(1%)
※( )内は世界生産量全体における割合
出典:USDA Foreign Agricultural Service
農林水産省による「食生活・ライフスタイル調査2023年度」では、調査対象者(※)の1日3食における主食構成比は、夏も冬も「米食」が3~4割と最も多い結果となっています。Z世代のみのデータでも「米食」は4割です。
このように日本人の主食は米で生産量も多いイメージですが、世界全体で見てみると、日本の米生産量は僅か1%しかないというのは驚きです。これは、日本が地産消費の多さと農業保護政策を反映して、輸出ではなく国内供給に重点を置いているためです。
実際、海外のローカルなスーパーマーケットでは、日本の米(ジャポニカ米)よりもインディカ米が多く販売されています。
※
調査対象者:男女15歳から74歳
サンプル数:4,000
サンプル構成:男女、年代、居住エリア(9エリア)の人口構成比に合わせて回収
米の消費量トップ5(2023年/2024年)
1位 中国························ 1億4,992万トン
2位 インド····················· 1億1,800万トン
3位 バングラデシュ······· 3,760万トン
4位 インドネシア·········· 3,580万トン
5位 ベトナム················· 2,120万トン
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9位 日本························ 806万トン
出典:USDA Foreign Agricultural Service
世界第1位、2位の人口を抱える中国とインドでは3位に大差をつけて圧倒的な消費量となっています。しかし、人口が多いばかりではなく、1人当たりの消費量も日本と比べると多いです。例えば、中国では1人当たりの年間消費量は約105kgですが、日本では64.5kgです。
先に挙げた調査における日本人の主食構成比の「米食」が3~4割という数値は消して高くはありません。「米食」とそれ以外で言えば、「米食」以外のパン、麺、その他{主食なし(おかずのみ、果実、グラノーラ、ヨーグルト、お菓子など)}の方が多いわけです。
米は日本人にとって第1の主食であることに変わりはありませんが、米以外の選択肢が増えた近年では食の好みが多様化し、米の消費量が長年に渡って徐々に減少していることも事実です。
米の輸出量トップ5(2023年/2024年)
1位 インド····················· 1,650万トン
2位 タイ························ 820万トン
3位 ベトナム················· 760万トン
4位 パキスタン·············· 500万トン
5位 米国························ 267.5万トン
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39位 日本······················ トップ10に入らず
出典:US Department of Agriculture
主要な米輸出国は、20年前はタイやベトナムでしたが、直近ではインドが最大の輸出国となっています。インドは世界の米輸出量の約4割を占め、2位のタイの約2.5倍を輸出しています。
日本は主に国内消費用に米を生産しており、「国内の需要」と「輸出品種の優位性」(インディカ米やジャワ米が一般的に輸出されている)、国内農業の保護と国民の食糧安全保障確保のための「輸出規制」により、トップ10には入っていません。
日本米の輸出国はどこ?ヨーロッパへの輸出増?
商業用の米の日本からの輸出数量トップ5(2024年1~8月まで)
1位 香港························ 8,195トン(+16%)
2位 米国························ 5,369トン(+34%)
3位 シンガポール·········· 3,998トン(+16%)
4位 台湾························ 2,114トン(+15%)
5位 カナダ····················· 1,441トン(+66%)
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8位 イギリス················· 601トン(+71%)
9位 ドイツ····················· 565トン(+67%)
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11位 フランス··············· 320トン(+19%)
12位 スペイン··············· 427トン(+27%)
※( )内は対前年同期増減率
出典:農林水産省「商業用米の輸出実績」
農林水産省によると、今年1~8月の輸出量は、前年同期比23%増で過去最高でした。アジアやアメリカの日本食レストランで需要が大きく伸びていることが背景にあるようです。
また、イギリスやドイツで前年同期より6~7割増加していることからも分かるように、欧州でも日本米の需要は拡大しています。EU全体への輸出数量は2,033トン、対前年同期+36%となっています。
日本の米は美味しいのに、輸出量が少ないのはもったいない
2023年12月、「農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略」において、「コメ・パックご飯・米粉及び米粉製品」が輸出重点品目として選定されました。「冷めても美味しい等の日本産米は寿司やおにぎりなどに向き、日本食の普及とともに拡大が可能」という、海外で評価される可能性の高い強みがあるからです。
国内の米消費量が毎年減少していく中、需要が伸びつつある海外市場への参入を考えてみてもいいかもしれません。
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出典:
https://customneon.com/restaurant-statistics/#:~:text=The%20UK's%20top%2010%20cuisines,%2C%20Japanese%2C%20and%20Thai%20restaurants.
https://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/kome_yusyutu/kome_yusyutu.html
https://www.mofa.go.jp/mofaj/kids/ranking/jinko_o.html