日本食の海外人気継続中!スーパー「Lidl(リドル)」で発見の日本食品
クロアチアに本社のある体験型旅行サイトTasteAtlas(テイストアトラス)が「世界の料理ベスト100(2023-2024年)」を発表。1位のイタリア料理に続き、なんと日本料理が2位に選ばれました。日本料理の中でも、最高評価の食品として懐石料理、和牛、浜松餃子、寿司、ラーメンなどが上位に挙げられています。
また、過去記事「訪日外国人の目的は?国籍別インバウンド消費額2023」で述べたように、訪日外国人に聞いた「行きたい旅行先に日本を選んだ理由」では「伝統料理」が2番目に多い理由として挙げられており、実際訪日した外国人に高く評価されているものの1つに「食事の美味しさ」がありました。
サステナブル志向の高まりによるヴィーガン人口の増加も、ソイベース食品が多くヘルシーなイメージが浸透している日本食人気に一役買っていると言えるでしょう。
このように、日本食の海外における人気や高い評価は確立されてきていると言えます。海外のスーパーマーケットで日本食品コーナーを発見するのも珍しいことではなくなり、そこでは非日本メーカーの日本食品が販売されていたりします。
今回は、イギリスのLidlが開催したジャパンウィークとそこで見つけた日本食品をご紹介します。
「Lidl(リドル)」とは どんなスーパーマーケット?
1930年代にドイツで創業、現在ではヨーロッパ全域とアメリカに約8,000店舗を展開。最高品質の製品を可能な限り低価格で提供するためにサプライヤーと緊密に連携しており、同じくドイツ発でコンセプトが似ているディスカウント系スーパーマーケットAldi(アルディ)の競合として知られています。
また、可能な限り地元で調達することに力を入れており、Lidl UKは製品の3分の2以上をイギリスのサプライヤーから調達しているそうです。そのため、同じLidlでも国によって品揃えが違うのが特徴です。
イギリスのスーパー「Lidl(リドル)」が開催したジャパンウィークとは?
Lidlではイタリアウィーク、ギリシャウィーク、アジアウィークなど、「○○ウィーク」なるものを度々開催しており、ついに先々月半ばにジャパンウィークが開催されました。店内の一部の棚に日本食品や雑貨を集めて販売するもので、調味料から麺類、スナック、スイーツ、寿司作りに使う‘巻きす’まで、実に様々な日本関連商品が並べられました。
食品の中には湖池屋のポテトチップス(生産はベルギーでEU販売用の商品)や江崎グリコの抹茶ポッキー(生産はタイで海外販売用の商品)のような日本メーカーの商品もありましたが、ほとんどがLidlオリジナルブランドの商品。特にVitasiaのJapanese Styleシリーズの商品がコーナー全体を占めており、ソースや酢などの調味料からヌードルやみそ汁などのインスタント食品、乾燥椎茸、ハムなどの加工食品、寿司関連商品、ピザやもちデザートなどの冷凍食品まで、ありとあらゆるものが販売されていました。
Lidlのオリジナルブランドには、他にもRivercoteやSnaktasticがあり、前者からは日本のうす焼きせんべいを模したライスクラッカー、後者からは歌舞伎揚げを模したスナックが発売されています。
オリジナルブランド以外には、ポーランドのティーメーカーLoydのオーガニック抹茶パウダーも見られました。
InstagramやTikTok、YouTubeではこれらを試食してレポートする非日本人で溢れ、海外の方からも非常に関心が持たれているようでした。このジャパンウィークによって日本食(純粋な日本食と言えないようなものもありますが)ファンが増えた可能性もあるでしょう。
それでは、いくつかの商品を画像付きでご紹介します。
イギリスのスーパー「Lidl(リドル)」で発見!ユニークな日本食品
① わさび入りチーズ
② わさびソーセージ
③ 揚げミートボール(わさび・チーズ・ホースラディッシュ入り or スイートチリ入り)
④ 鶏胸肉のスライス(抹茶風味)
⑤ 寿司用マヨネーズ
⑥ 寿司キット
⑦ カツ or やきとりペースト
⑧ 梅ジャム(酒入り)
⑨ ゆずリキュール
⑩ 抹茶&フルーツジュース、チェリーレモネード、ゆずデザート
海外ならではのおかしな日本食も
緑色のチーズや抹茶と鶏肉の組み合わせ、寿司専用のマヨネーズにびっくりした方は多いのではないでしょうか。
他にもVitasiaの枝豆・パプリカ・マッシュルーム入りのインスタント野菜ラーメンや、ベトナムを彷彿とさせるビーフの切り身入りインスタントラーメン、わさび味アイスクリームなど、日本産製品では見かけない上に、日本人が好みそうにない商品がたくさんありました。RivercoteのライスクラッカーもサワークリームやBBQ味で和風の味はありません。
「わさび」「抹茶」「ゆず」が海外では人気?
ここにご紹介できなかった商品も含め、ジャパンウィークで販売されていた日本食品全体を見返してみると、「わさび」「抹茶」「ゆず」「焼きとり」「てりやき」「寿司」関連が多かったように思います。この辺りが海外の方が日本食に求める味なのかもしれません。
海外の方が抱く日本食のイメージと日本人にとっての日本食が同じではないということを改めて実感しました。
海外の日本食ブームはチャンスだが、現地メーカーと競える何かが必要
海外での日本食品ビジネスには大きな可能性がありますが、非日本メーカーや日系ディストリビューターの安価な製品も出回っており、競合の多い厳しい市場であることも確かです。
先にご紹介したようなVitasiaの製品などは、どれも£4を超えないくらいであり、Loydのオーガニック抹茶も£2.99/40gと、高級なイメージのある抹茶にしては驚くほど低価格です。抹茶はイギリスで販売されている日本産のオーガニック抹茶だと40gで£10前後はします。
‘本物’の日本食を知らない海外の消費者や日本産に拘らない消費者にとっては、近場のスーパーマーケットで手軽に購入できるリーズナブルな価格の製品の方が魅力的に映るでしょう。
日本製品を輸入するなら、製品のローカライズやターゲットを見定めること、価格以外で差別化を図ることが欠かせません。
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出典:https://www.tasteatlas.com/best/cuisines