シェアリングエコノミーとは②サービス一覧【日本・海外事例10選】

過去記事「シェアリングエコノミーとは①なぜ普及?市場規模&メリット」で述べたように、シェアリングエコノミー市場は2022年に3,871億ドルと評価され、7.7%のCAGRで2032年までに8,271億ドルに達すると予測されています。

シェアリングエコノミーの先駆けと言われるAirbnb(エアービーアンドビー、通称エアビー)がサービスを開始したのが2008年。コロナ禍で台頭したミニマリズム、モノの所有よりコト(体験)にお金をかけたいと思う消費者の価値観の変化、持続可能な社会を目指す活動がますます活発になってきている時代背景を鑑みると、今後も当市場の成長が期待できることは言うまでもないでしょう。

続編である今回は、シェアリングエコノミーの具体例をご紹介します。


シェアリングエコノミー「領域マップ」に見るサービスの種類

シェアリングエコノミーとは、インターネットを介してモノやサービスを必要とする人に提供・共有する仕組みのことです。一般社団法人シェアリングエコノミー協会のウェブサイトでは、シェアするモノやサービスを5つの領域に分けた「領域マップ(カオスマップ)」を公開しており、それを見るとシェアリングサービスの範囲が簡単に理解できます。

 

1.      スペースのシェア(家、ワークスペース、駐車場、倉庫、店舗、自然など)

2.      モノのシェア(アパレル・インテリア・楽器などのレンタルサービス、フリマ、フードロス関連など)

3.      移動のシェア(相乗り、シェアサイクル、カーシェアなど)

4.      スキルのシェア(家事代行・育児・ペット・介護・農業・防災などの生活サポート系、単発バイト・地域仕事・コンサル・語学などのビジネス系)

5.      お金のシェア(クラウドファンディングなど)

 

このように、シェアリングエコノミーと言えば、これまではAirbnbのようなスペースシェア、Uberのような相乗り、メルカリのようなフリマのイメージが強くありましたが、スキルやお金に関するサービスなども含まれ、各領域で提供されているサービスの種類も増加していることが分かります。

それでは、具体的にはどのようなサービスが存在しているのか、領域別に日本国内と海外の事例を見てみましょう。

 

シェアリングエコノミー サービス一覧【日本の事例】

シェアリングエコノミー事例①スペースのシェア「軒先ビジネス」

軒先株式会社運営の、駐車場、ガレージ、店先など、貸し出したい空きスペースを持つ企業・個人とそれらを借りたい企業・個人をマッチングさせるマーケットプレイス。屋台販売やポップアップストア、撮影スタジオなどに活用されることが多い。

シェアリングエコノミー事例②スキルのシェア「お坊さん便」

葬儀や供養などのエンディングに関する総合サービスの提供を行う「株式会社よりそう」が運営するサービス。インターネットでお坊さんを手配できるサービス。1,300名を超える提携お坊さんネットワークにより、葬儀、法要、読経などを全国どこでも定額で依頼できる。従来の檀家制度が薄れつつある現代に適した新しい供養の形として注目されている。

シェアリングエコノミー事例③モノのシェア「シェア墓」

個人で墓を持たず、共同の墓に遺骨を納めるシェアリングサービス。「合葬墓」「集合墓」とも呼ばれ、少子高齢化が進む今、継承者の負担を減らせるというメリットなどから全国的に増加。

共同の墓に入る予定の人たちが生前から様々な交流を持とうとする動きがあり、そのような繋がりを表す「墓友(はかとも)」という言葉も終活界隈で流行している。

シェアリングエコノミー事例④モノのシェア「アイカサ」

株式会社Nature Innovation Groupが運営する「アイカサ」は、コンビニや駅などに設置された専用スポットで必要な時だけ傘をレンタルできるサービスである。アプリを使って傘の貸出・返却が可能で、使い捨て傘の削減にも貢献している。

シェアリングエコノミー事例⑤モノのシェア「ChargeSPOT」

株式会社INFORICHによるバッテリースタンド「ChargeSPOT(チャージスポット)」。商業施設や空港、携帯キャリアなど全国3万箇所に設置されており、災害時には被災エリアを対象に48時間無料でバッテリーが解放される。また、チャージスポットのデジタルサイネージは、災害情報・避難情報の配信に活用される。

当社はコンビニ、カラオケ、カフェなどで貸出・返却ができるモバイルバッテリーの提供も行っている。

シェアリングエコノミー サービス一覧【海外事例】

シェアリングエコノミー事例⑥スキルのシェア「ドッグシェアリング」(イギリス)

イギリスのBorrowMyDoggyは、犬の飼い主と、喜んで犬の世話をしてくれるローカルな人々をオンライン上で結び付ける場を提供。これにより、犬の飼い主は必要な時に犬の世話の手配が簡単にでき、犬と触れ合いたい人や犬を飼いたくても飼えない人などは犬と充実した時間を過ごすことができる。当社ではこれを関係者全員にとってwin-win、あるいはwoof-woof(ワンワン) な状況と呼んでいるとのこと。

日本やアメリカにも同様なサービスが存在する。

シェアリングエコノミー事例⑦モノのシェア「トイレシェアリング」(アメリカ)

アプリ内のマップから利用可能なトイレを選択し、料金($0.99~$8.99)を支払うことで1時間以内にそのトイレを利用できるという仕組み。ニューヨークで2017年頃に展開されていたサービスで、市内のレストランやカフェなど130店舗と提携し、トイレの貸出を行っていた。

シェアリングエコノミー事例⑧スペースのシェア「屋根のスペースシェアリング」(アメリカ)

アメリカのYelohaに代表されるように、自宅や企業の屋根スペースを太陽光パネル設置業者に貸し出し、エネルギーを共有するサービスである。自分でパネルを買わなくても設置スペースを提供するだけで収入が得られる。持続可能なエネルギーを普及させようという現代にマッチしたサービスとして注目されている。

シェアリングエコノミー事例⑨移動のシェア「荷物運送のシェアリング」(ノルウェー)

いつでもどこでも何でも送ることができるコミュニティー配送サービスNimberは、荷物を運びたい人と旅行などでその方面へ移動する人同士をマッチングさせるサービス。運送コスト削減と環境負荷の軽減(既存の移動を活用するため)というメリットがある。

シェアリングエコノミー事例⑩スペースのシェア「ガーデンシェアリング」(イギリス)

イギリスのAllotMeに代表されるような、使用していない土地や庭を有効活用したい人と、花や野菜を育てる場を求めている人をマッチングさせるサービス。土地の所有者はメンテナンス不要で収益を得られ、借り手は低コストでの農業体験が可能になる。

 

シェアリングエコノミー ―面白い事例をアイデアに新しいサービスを

以上のように、シェアリングエコノミーは単なるモノの貸し借りを超えて多様な分野に広がっていますが、モノやスペースに関するサービスで特に面白い具体例が多くありました。各国独自の文化や社会背景が反映されていることも見て取れます。

遊休資産の活用を促し、地域活性化にも繋がるシェアリングエコノミー。持続可能な未来のために、これまでにない新しいサービスを生み出してみませんか?

 

 

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