【2025年】消費トレンド 健康やエコを意識、節約志向は継続する?
日本では米の価格が高騰し、トランプ大統領が就任ばかりのアメリカでは鳥インフルエンザの影響で卵の価格が高騰しています。2025年も既に世界では様々な出来事が起きていますが、消費者はどのような動向を示すのでしょうか。様々なデータやレポートを元にまとめていきます。
2025年・消費トレンド
プレミアム消費 _高くても良い物を
価格の安さよりも、付加価値を求める消費傾向が強まっています。
2020~2025年の美容・パーソナルケア市場における高価格帯商品の売り上げ成長率は、低価格なマス商品の成長率を大きく上回る見込みです。特に美容やファッションにおいては、良い物を使うという体験に対してお金を使いたい消費者が増えているようです。
また、「推し活」もプレミアム消費に区分されるという考え方もあります。
心を豊かにするための消費が促進される模様です。
ヘルスケアに投資 _将来は今よりも健康
人々の関心が「健康寿命を延ばすこと」に集まっています。
今後5年間で今よりも健康になるだろうと考えている人の割合は、2019年には45%だったのに対して、2024年には52%に上昇しています。これは多くの人が健康を維持、或いは向上するために、何かしら努力や対策をしているためだと考えられます。
ビタミン・サプリメント分野の売り上げは世界的に増加していて、2025年には1,399億米ドルに達すると見込みです。「少なくとも週に一度はビタミンやサプリを摂取する」と答えた人の割合は2024年に52%に達し、2025年からの9年間で18%増加しています。
継続する節約志向 _戦略的な購買
依然として物価の上昇が続いているため、節約志向は多くの消費者の間ですっかり根付いてしまいました。
消費者は現在ほしいと思っている物が将来的にも使える物なのかを考慮して買い物するため、必ずしも安い物を選ぶとは限りません。この動向は前述したプレミアム消費にも反映されています。
2024年の調査では「よく衝動買いをする」と回答した消費者は全体の18%と、2015年の23%から5%減少していました。消費者の多くは安価な代替品を探したり、クレジットカードのポイントを活用したりと、さまざまな節約術を使って賢く買い物するようになっています。今後もこのように戦略的な買い物をする人が増える見込みです。
エコやSDGs _環境問題や社会問題を意識
日本ではSDGsという言葉がすっかり定着しましたが、世界的にもサステナブルな商品を選ぶ傾向が続きます。
2023年の調査では、消費者の52%が「自分の信頼している企業やブランドからのみ購入する」と回答しています。しかし一方で、企業やブランド側が強すぎるメッセージを発すると、価値観に合わない消費者が購入を断念する可能性もあるので、注意が必要です。
また、エコであることは消費者が購入する際に念頭に置く要素ではありますが、商品の価格が高いために、購入を断念するケースもあります。エコだけでなく、別の価値があるかどうかが購入を左右するのではないでしょうか。
買い物もタイパ重視 _AIやライブコマースを駆使
AIによるパーソナライズド
膨大な情報や選択肢に囲まれて生きている現代の消費者は、本当に必要な商品やサービスをできるだけ短時間で選びたいと考えるようになりました。消費者の35%は、ECサイトのナビゲーションがもっと分かりやすければ良いのにと、考えています。
既に多くのECサイトでAIを駆使して、購入・閲覧履歴などの行動データ分析が行われています。これによって個々のニーズや嗜好に合わせた「あなたへのおすすめ商品」といった提案が、表示されているのです。大手企業の49%が、今後5年間で生成AIに投資する予定だと回答しています。
詳しくはこちらもご覧ください→デジタルマーケティングに必須?海外事例に見る「パーソナライズサービス」 , パーソナライズド広告やサービスとは?メリット&デメリットを解説
ライブコマース
世界的にはライブコマースを利用する人が増加しており、消費者の42%がライブコマースを通して購入した経験があると回答しています。その理由は「ライブストリーミングでは、商品やサービスの特徴をより簡単に理解できるから」です。
ユーロモニターの予測では、2025年のライブコマースの市場規模は、1位中国$582.1 、2位アメリカ$29.5 、3位韓国$8.8となっています。
詳しくはこちらもご覧ください→ライブコマースとは?日本で失敗した原因と事業を始めるコツ
コト消費 _体験にお金を使いたい
「コト消費」は引き続き重要なトレンドとして注目されていて、その中でも特に旅行や娯楽などへの支出が増加すると予測されています。 訪日外国人観光客の間でも、過去の爆買いのような物品の購入より、日本独自の体験やサービスを求める動きが強まっています。
若年層を中心に、物の所有よりも体験や感情的なものに価値を見出す傾向があり、「コト消費」だけでなく、「トキ消費」や「イミ消費」「エモ消費」といった消費形態も注目されています。
詳しくはこちらもご覧ください→若者のコト消費&トキ消費は海外でも盛ん?具体例.成功事例
このような背景で物理的な商品を売るためには、体験と結びつけることが有効だと考えられます。
55%の消費者が、商品やサービスを実際に体験できる店舗で買い物をしたことがあると回答しています。また、女性インサイト総研が女性を対象に「買い物するときに求めるもの」を調査したところ、63%が「楽しい気持ちになれる」ことを求めていることが分かりました。
消費トレンドを参考に
2025年の消費トレンドは日本でも海外でも、案外、同じような傾向がありそうです。これを参考に今年は海外進出を目指したり、インバウンド事業を強化してみてはいかがでしょうか。