インバウンド消費が及ぼす影響②訪日外国人の推移と人数ランキング2023

新型コロナウイルス(以下コロナ)感染症対策のための規制が緩和され、インバウンド需要の回復に期待がかかる今。具体的にどれくらいの外国人が日本を訪れているのでしょうか。

前半の記事では、今年4-6月の訪日外国人消費額がコロナ前の水準に回復しつつあること、外国人観光客が増加することでどのようなメリットがあるのかを述べました。

後半は、最近の訪日外国人人数がコロナ前2019年からどの程度増減しているのか、アフターコロナのインバウンド需要について引き続き考えてみたいと思います。

 

▼前半はこちら

インバウンド消費が及ぼす影響①外国人観光客増加のメリットとは?


JNTOによる訪日外国人の推移 グラフ&ランキング2023

規制緩和&円安でインバウンド需要・消費復活?

出典:日本政府観光局(JNTO)

日本政府観光局(JNTO)による訪日外国人の人数を2003年から見てみると、2019年には31,882,049人と過去最高だったにも関わらず、翌年からはコロナ禍で激減。2021年には245,862人にまで減少しました。しかし、規制緩和もあり、2022年からは再び増加傾向にあります。

現在、どれくらいの外国人が日本を訪れているのでしょうか?JNTOによる最近のデータでは、今年7月の訪日外客数は2019年同月比77.6%の2,320,600人。200万人を突破した前月から約12%増加しています。また、⽇本入国に制限がかかっていた中国を除く総数では、2019年同月比103.4%と、コロナ前の実績を上回っています。

このような訪日外国人増加の背景には、昨年10月にコロナ感染拡大防止のために行っていた入国者上限が撤廃、さらに個人の外国人旅行客の入国も解禁されたことがあると考えられます。中国からの入国者に対するコロナの水際対策についても4月に既に緩和されているため、今後は中国を含めてもコロナ前の水準に回復していくのではないでしょうか。

さらに、円安も外国人観光客の増加に一役買っていると思われます。円安だと自国の通貨から円への換金がお得に感じられるため、日本国内での消費、すなわちインバウンド消費を増加させることに繋がります。

円相場は8月現在、1ドル146円台と今年最安値となっており、インバウンド需要を重視する小売り・サービス業にとって売り上げアップに期待がかかります。

 

訪日外国人ランキング2023 中国人観光客の「爆買い」は期待できる?

JNTOの「2023年7月 訪日外客数(JNTO推計値)」によると、

 

1位 韓国 626,800人(2019年同月比11.6%増)

2位 台湾 422,300人(2019年同月比8.0%減)

3位 中国 313,300人(2019年同月比70.2%減)

4位 香港 216,400人(2019年同月比0.2%減)

5位 米国 198,800人(2019年同月比26.7%増)

 

という順に多く、韓国はコロナ前より11.6%増加しています。相変わらずアジア地域からの訪日が多いようですが、米国やカナダ、中東地域などからは2019 年同月比を超える人数の訪問がありました。

2019年同月に2位だった韓国(561,675人)を大きく引き離して1位だった中国(1,050,420人)はどうでしょう。規制が緩和されて間もないこともあってか、-70.2%と大幅に減少しておりこれから増えることが期待されています。

しかし、8月に中国政府が海外への団体旅行を解禁した後でも「爆買い」は復活しないのではと考えられています。それは個人旅行で訪日する中国人が増えており、そのような人々はモノの購入より体験を重視する傾向があるからです。

前半の記事でも触れましたが、中国だけでなく世界的にも、若者の消費トレンドは「モノ消費」から「コト消費」へと移行しています。コロナを経たことで、人々の消費の仕方や価値観が変わったことも考慮にいれておく必要があります。

また、国籍や地域別で訪日目的や消費動向も異なるため、国ごとに異なるマーケティングを考えていくことも重要です。


▼訪日外国人が日本を旅行する目的についてはこちら

訪日外国人の目的は?国籍別インバウンド消費額2023

▼コト消費についてはこちら

若者のコト消費&トキ消費は海外でも盛ん?具体例.成功事例

 

出典:日本政府観光局(JNTO)https://www.jnto.go.jp/statistics/data/20230816_monthly.pdf

 

インバウンド効果を高めるマーケティング 情報掲載場所も国ごとに

国籍や地域別で訪日目的や消費動向が異なると言いましたが、JNTOの「訪日旅行データハンドブック(2022年版)」によると、国によって海外旅行の情報収集をする場所も違うことが分かります。

例えば、「外国旅行の情報収集をする際に使うオンライン媒体」では、韓国人はネイバー(NAVER)(61.9%)、中国人はシートリップ(携程:Ctrip)(%)、英国人はトリップアドバイザー(TripAdvisor)(40.9%)、「訪日旅行前に役立った旅行情報源 (2015年~ 2019年)」では、韓国人は個人のブログ、中国人はSNS、英国人は口コミサイト(トリップアドバイザー等)が最も多い結果でした。アジアと欧州はもちろん、同じアジアでも利用サイトは違います。

日本経済に大きな影響を及ぼすインバウンド消費。より効果的にインバウンド向けマーケティングを行うために、ターゲットを「訪日外国人」と一括りにせず、旅行情報や広告掲載場所なども国ごとに対策してみてはいかがでしょうか。

 

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出典:日本政府観光局(JNTO)https://www.jnto.go.jp/statistics/jnto_datahandbook_2022.pdf

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