イギリス人観光客が本当に求める訪日旅行体験とは?

近年、訪日外国人観光客の数はコロナ禍を経て回復傾向にあり、中でもイギリス人観光客は「量」よりも「質」を重視する傾向が顕著になっています。ただ写真映えする観光スポットや有名地を巡るだけでなく、本物の文化に触れること、地元の人と交流することを求める姿勢が目立ってきました。

訪日外国人観光客と言っても、出身国や新興宗教などによってニーズが少し異なるため、マーケティングや商品・体験設計においてはより繊細なローカライズが求められます。

本記事では、イギリス人観光客に限定し、彼らの特徴や最新トレンドを分析し、効果的なインバウンド戦略を立てるヒントをご紹介します。

 

イギリス人観光客の特徴と訪日旅行での優先ポイント

イギリス人観光客の特徴

① 支出傾向

数年前のデータですが、SNS解析などでは、イギリス人観光客は宿泊費・飲食費が他の国より高めの傾向があります。

これは、コストをかけてでも体験価値を重視するタイプが一定数いるということが示唆しています。最近は、特に円安で£1=200円超えなので、日本人にとっての“高い”がイギリス人にとってはそうでもない可能性が高いです。

② 買い物スタイル

訪日イギリス人がよく買い物をする場所として、コンビニエンスストア(70.9%)、百貨店・デパート(56.9%)、スーパーマーケット(52.7%)が上位に挙がっています。

イギリスにもコンビニに近いショップはありますがスーパーマーケットを小さくしたようなショップで、日本のコンビニで体験できるサービス内容とは異なります。「お弁当を買って温めてもらう」「休憩所として使う(購入したものを休憩スペースで食べる)」「気軽にお土産を買う」「小さな食品や地域限定品を試す」など多様な買い物ニーズがあるのは日本のコンビニならではと言えるでしょう。

 

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③ 伝統文化・体験への関心が強い

観光庁製作の高付加価値なインバウンド旅行者のガイドブックによれば、イギリス人を含むこうした旅行者は「知的好奇心・探究心が強く、旅行を通じて日本の地域文化や伝統体験を求める傾向がある」とされています。 これは、単なる観光地巡り以上の深い文化体験への期待を示しています。

④ 複数都道府県を巡る ―地方への関心が高い

ナビタイムジャパンによる訪日外国人向けナビアプリ「Japan Travel by NAVITIME」のGPSデータ+属性アンケート分析では、2019年(コロナ前)と2023年(コロナ後)の対比において秋田県小坂町へのイギリス人観光客の訪問が25.0倍に増加。イギリス人観光客からの人気急上昇地域トップ10には、他にも広島県大竹市、愛知県長久手市、高知県東洋町、東京都檜原村などが入っています。

また、鉄道利用分析では、 2023年4月~2024年3月と2024年4月~2025年3月の比較において、北陸・東北などの地方路線(ローカル鉄道)で利用者数が2倍超に伸びています。

このことは、単なる都市滞在だけでなく、地方部への移動・滞在(地方観光)が増加傾向にあることの裏付けと言えます。

長距離海外旅行となるイギリス人は、アジア圏からの旅行者と比べると日本滞在日数を多めに取っている場合が多く、東京や京都などの主要都市だけでなく、関西や北陸、信州など複数の都道府県を移動する旅行スタイルをとることが多いことが想定されます。

 

イギリス人観光客が訪日旅行をする目的は

全項目③で挙げたように、イギリス人観光客は、「歴史」「文化」「日常体験」への関心が高いと言われています。

Statistaによると「イギリスからの訪日旅行者を惹きつける最も人気のあるアクティビティ(2024年)」ランキングの1位は「日本食を食べること」、2位は「日本の歴史と文化の体験」。BCCJ(在日英国商工会議所)は{英国人観光客は日本食、ショッピング、観光だけでなく「伝統文化と歴史」を求めている}と述べています。

また、旅行・観光サイトTravel And Tour Worldでは、イギリス人旅行者1,000人以上を対象とした調査において、彼らが旅を計画する際に求める要素として多いものが以下の順であったことが明らかになっています。

 

1位 ショッピングと市場 回答者の26.7%

2位 古代遺跡と遺産 回答者の21.4%

3位 祭りと文化イベント 回答者の13.8%

 

現地の食やショッピングは、出身国を問わず多くの訪日旅行者が旅行目的として挙げる項目です。

一方で、日本の歴史や伝統文化への関心は、伝統を未来へ受け継ぐことの重要性を重視する、サステナブル意識の高いイギリス人観光客ならではの特徴と言えるのではないでしょうか。

イギリス人観光客向けインバウンド戦略のポイント

イギリス人が旅行したい国No.1である日本

さらに、イギリス人が来年2026年に訪れたいと思っている国1位は日本であり、一人旅行者の中では3位で5.25%が独自に探索したいと答えています。

東京や大阪のような大都市に見られる賑やかなネオンに照らされた街並みに、古からある神社仏閣の静かで時代を超越した美しさ。この現代性と伝統のユニークな融合は日本ならではです。

また、「安全性」や「新幹線、地下鉄、地方バスなどの効率的な公共交通システム」、「日本の温かい文化を感じるコミュニティ」、「アニメの聖地巡りや酒蔵見学、温泉など多様な興味に応えるアクティビティ」は、一人旅で日本を楽しみたいと思っているイギリス人にとっても魅力なようです。

これらの特徴により、日本は個人旅行や冒険、自分たちの条件で新しい文化を体験したい人々にとって最高の目的地となっているのです。

イギリス人旅行者に響く日本の魅せ方

イギリス人旅行者が訪日旅行に求めているものをキーワードにしてみると、主に「伝統文化」「歴史」「地方」「体験」「地元人とのふれあい」となり、他国の伝統や文化への敬意を持ち、本物志向であることが窺えます。

そのため、単なる有名スポット紹介ではなく、「なぜそれが魅力的なのか」「どんな意味があるのか」を伝えることが不可欠です。具体的には、東京の観光地や京都・奈良の寺社仏閣巡りだけでなく、農村での民泊体験や伝統工芸・和菓子などのワークショップ、侍や忍者文化のリアル体験など、生活に根ざした体験を用意し、背景にあるストーリーを英語で丁寧に説明してみてはどうでしょうか。

日本らしいけれど、押しつけがましくないホスピタリティで、自分自身で発見できる余白のある旅を提供してみましょう。

 

 

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出典:

https://nightley.jp/archives/8737/

https://honichi.com/visitors/europe/uk/data/

https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001882431.pdf

https://inbound.nightley.jp/nationality/england/2851/

https://www.jnto.go.jp/news/m20231013.pdf

https://yamatogokoro.jp/inboundnews/pickup/56866/

 

https://www.statista.com/statistics/1069190/japan-leading-travel-motivations-british-tourists/

https://www.travelandtourworld.jp/news/article/japan-leads-the-charge-in-travel-preferences-for-british-tourists-in-2025-dominating-the-bucket-list-rankings-with-cultural-shopping-and-safety-attractions/

https://bccjapan.com/news/bccj-think-tank-talks-responsible-tourism

https://www.travelandtourworld.com/news/article/why-japan-is-capturing-the-worlds-imagination-becoming-the-most-desired-travel-destination-for-culture-adventure-and-modernity-are-you-ready-to-explore/

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